旧盆料理、3つのレシピ☆隠し味は「豚の茹で汁」?

旧盆料理、3つのレシピ☆隠し味は「豚の茹で汁」?

旧盆料理はレシピも、その家々によって違いますよね。最終日ウークイの御馳走「御三味(ウサンミ)」も、一般的には9品目を重箱に詰めますが、5品目、7品目の家も多いです。

ナカヌヒー(ナカビ=中日)のソーミン汁ひとつとっても、冷や汁が一般的ななか、一部地域では温かなにゅう麺を用意します。

そんななか、「美味しい」と評判の旧盆料理レシピを3品、昔ながらのちょっとした「コツ」と共にお伝えします♪ぜひ、挑戦してみてください。

旧盆料理、3つのレシピ☆
隠し味は「豚の茹で汁」?

ウンケージューシーは「強い香り」を入れる

ウンケージューシー

沖縄風炊き込みご飯「ジューシー」は、沖縄では一年中愛される定番料理ですが、旧盆料理レシピとしては、ショウガやフーチバーなど、「強い香り」の薬味を入れる習わしがあります。

これは、御先祖様とともに餓鬼やチガリムン(浮遊霊や悪霊など)が食事を求めてついてくるとされるため、強い香りで追い返すのだとか…。

お供え物に限らず、昔から強いクセのある香りは、チガリムン除けとして扱われてきました。ウンケージューシーでは葉付きのショウガをお箸に見立てて、お膳に添えるほどです。

【 旧盆料理レシピ①:ウンケージューシー 】

※ 分量はいつも目分量なので、お好みに合わせて調整してください♪

★ 材料 ★

・ お米 … 3合分

・ 肉バラ(ブロック) … 200g
・ 干ししいたけスライス … 10g
・ 沖縄かまぼこ … 棒かまぼこなら半分
・ にんじん … 半分
・ 葉付きショウガ
・ お好みの具材(切り昆布など)

・ 鰹出汁
・ ほんだし
・ ラード … 小さじ1

★ 作り方 ★

① 豚の三枚肉ブロックは下茹でをしますが、その前に直火で焼くと香ばしくておすすめです。豚毛があればここで焦がして削き落としてください♪

② 豚の三枚肉ブロックをひたひたの鍋で茹でますが、この時、茹で汁はとっておいてください。一度沸騰させて茹でこぼし、再度灰汁を取りながら小一時間、弱火で煮ると美味しく茹で上がります。

③ 干しシイタケを水で戻します。戻し汁も後々炊き込む時の出汁となるので、とっておきます。

④ 葉付きのショウガはみじん切り、豚の三枚肉ブロックや具材も、同じような賽の目状に切り揃えると美味しいです♪

⑤ ショウガの葉以外の賽の目状の具材は、炒め煮をして味付けをするひと手間を掛けると美味しく仕上がります(*^_^*)ほんだしに醤油、お酒、お砂糖で味付けをしてください。

⑥ 具材の準備が出来たら、いよいよ炊き込みます♪

★ここがポイント! …お米を研いだら水の代わりに

・ ②の豚の三枚肉ブロックの茹で汁
・ ③の干しシイタケの戻し汁
・ 鰹出汁を合わせたお汁

…を加えて、最後に味を見ながらお酒や醤油などで味を調えます。ここでラードも加えてくださいね♪

⑦ それぞれの炊飯器に合せて、炊き込みご飯を炊飯です。炊き上がったら、少し蒸らしてから(15分程度)蓋を開け、しっかりと混ぜ切ります。

⑧ 完成!ご飯をお茶碗によそったら、ネギのみじん切りなどを加えると、より彩りが良くなり、おすすめです。

…このように、沖縄の旧盆料理レシピでは、「豚の茹で汁」を加えるのがポイントです。干しシイタケの戻し汁も良く出汁として使います。

ちなみに、炊飯器に具材をセットする時は、先に硬めの具材→柔らかい具材の順番で入れるのも、ポイントです。

ソーミン汁も、豚の茹で汁でより美味しく♪

ソーミン汁

ナカビ(ナカヌヒー・中日=14日)のお昼には、多くの沖縄の地域でソーミン汁をお供えしますが、お仏壇のあるお家ではお客様が多く、お供え物と同じソーミン汁をお昼時にお出ししておもてなしをするのが、昔ながらの習慣ですよね。

つゆと冷やしそうめんをふるまう地域も多いのですが、本州で言うところの「にゅう麺」に当たるでしょうか…、温かなお汁の「ソーミン汁」を振舞う御家庭も多いです♪

ここでも昔ながらのソーミン汁では、豚の茹で汁が活躍します。

【 旧盆料理レシピ②:ソーミン汁 】

★ 「作り方」と言っても簡単です♪豚の茹で汁に鰹出汁を合わせ、醤油などで味を調えて作ります。昆布だしや白だし、みりんも加えて味を調えても美味しいです。

・ 前出した豚の三枚肉ブロック(ラフテー)でも良いのですが、「ソーキ」など、骨付きの豚肉の茹で汁だと、尚、豚肉出汁が味わえます(*^_^*)/

…また、ウンケージューシーと同じように、シイタケを乗せるなら戻し汁も良い出汁です。

ちなみにこのナカビには、おやつとしてお団子もお供えしますよね。お砂糖を加えた白団子をお供えしますが、子ども達にはあずき缶(あまがし缶)と共にぜんざいにしても喜ばれます。

時間があれば、前日から金時豆を煮立てて手作りしても、良いかもしれません。

豚の三枚肉の煮付けは、「泡盛たっぷり」

沖縄の重箱料理「ウサンミ」☆供える時の習わしとは

家々によって違いはありながら、最終日「ウークイ」の重箱料理の御馳走「ウサンミ(御三味)」には、豚の三枚肉の煮付け「ラフテー」が定番ですよね。

【 旧盆料理レシピ③:豚の三枚肉の煮付け 】

★ 材料 ★

・ 豚の三枚肉ブロック … 300g
・ 昆布

《 出汁 》

・ 鰹出汁 … 3カップ
・ 泡盛 … 半カップ
・ みりん … 半カップ
・ 醤油 … 半カップ
・ 黒糖粉末 … 少々(30gほど)

※ 鰹出汁1/4カップに、砂糖(大さじ2)、醤油(大さじ2)、みりん少々を加えたつけ汁

★ 作り方 ★

① ウンケージューシーと同じように豚肉は一度コンロや魚焼き機で焼いて焦げ目を付け、毛があればこそげ取ってください。バーナーも便利です。

② ①の豚肉ブロックを、まずは大きな塊のまま茹でます。

… 皮を上(※1)、豚肉が浸かるように水を入れたら一度沸騰させ、沸騰したら一度お湯をこぼし、豚肉に付いた灰汁は洗い流した後、再度茹でるのがコツです♪(ゆっくり1時間弱茹でますが、圧力鍋も役立ちます。)

③ ②の豚肉の荒熱を取ったら、重箱の1/3の幅になるように切り揃えてください。

④ 豚肉を煮付けます♪

…最初に鰹出汁と泡盛を入れ、③の豚を入れて煮ながら砂糖、醤油…と加えていきます。沸騰したら弱火にして小一時間、つやが出た頃に完成です。

沖縄の旧盆料理レシピでは欠かせない豚の三枚肉の煮付け(ラフテー)は、たっぷりの泡盛がポイントです♪泡盛はアルコール濃度の高いものがより美味しく味が浸みます。(30度以上が目安です。)

こまめに灰汁取りをしますが、最初に「灰汁取りシート」を活用すると、簡単に仕上がります。

※1…豚肉の皮を上にすると、お肉が反り返りません。

…この他、沖縄の旧盆レシピにはウサチ(酢の物)も欠かすことができませんが、三杯酢などで和えるとあっという間ですので、コチラは手軽にできますよね。

三日目ウークイの重箱料理(ウサンミ=御三味)では、豚の三枚肉の煮付け(ラフテー)の他、こんにゃくの煮付けかまぼこなどなどが並びます。

…とは言え、煮付けは薄味の鰹出汁で、そんなに大変ではありません。こんにゃくは真ん中に縦に切り目を入れ、ひっくり返すように切り目に端っこをくぐらせることで、飾りができます♪

ちなみに旧盆料理のレシピでは、清明祭(シーミー)などと同じように、お祝い(慶事)用の重箱になるので、昆布を入れるなら返し昆布ではなく、結び昆布です。ぜひ、旧盆料理レシピまで楽しんでみてください(*^_^*)

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まとめ

沖縄、旧盆料理のポイント

・ジューシーには豚肉の茹で汁を入れる
・干しシイタケの戻し汁も良い出汁になる
・豚バラブロックは一度沸騰させて茹でこぼす
・ソーミン汁にも豚肉の茹で汁
・ラフテーには最初からたっぷりの泡盛
・泡盛は30度以上のものを使う