【沖縄の旧盆】門前とお仏壇で行うウンケー(初日)の拝み言葉
沖縄の旧盆も2019年は本州と同じ…、今日8月13日が「ウンケー」の初日ですよね。初日ウンケーは夕方頃、御先祖様のお出迎えから始まります。
沖縄の旧盆の迎え方は別記事「【沖縄の旧盆】2019年は8月13日!ウンケー5つの基本」にお供え物など、イラストと共に詳しくお伝えしました。
ただ「拝み言葉まで、丁寧に迎えたい!」との声も多いです♪そこで当日になってしまいましたが、今日は沖縄の旧盆、初日「ウンケー」での門前の拝み…、御先祖様を迎えるグイスなどをお伝えします♪
【沖縄の旧盆】門前とお仏壇で行う
ウンケー(初日)の拝み言葉
昔ながらの「迎え火」は「松明」
昔ながらの沖縄の旧盆では、門の両脇に松明(テービ)を焚いていたのですが、現代の家ではそれが出来る環境ではないですし、ほとんど見られませんよね。
ですので、現代では門の両脇にろうそくを灯して迎えます。
【 沖縄の旧盆:門前で迎える準備 】
★ 門(玄関)の両脇にろうそくを灯したら、門の中央でヒラウコーをタヒラ(二片=日本線香12本)、拝します。
・ 門前では門の神様「ウジューヌカミ(錠の神)」様へまず、今日、拝みを捧げる理由(旧盆初日のお出迎え)をお伝えしてください(*^_^*)
お墓で、お墓を守るヒジャイガミ(左神)様へ拝んだ後に墓前に行くのと同じです♪
門前での拝み方(ウジューヌカミ様)
門(玄関)の両脇にろうそく、中央にヒラウコー(平線香)をタヒラ(二片=日本線香12本)に火を灯して拝したら、ウジューヌカミ様へ拝みます。
【 沖縄の旧盆:門前の拝み言葉(グイス) 】
★ 「ウートゥートゥ、ウジューヌウカミ ガナシー、
(あな、尊き ウジューヌ神様)、チューヤ シチグヮヌ ウンケーヌヒー ナトゥーィビーン、
(今日は旧盆はウンケーの日ですので)クマカラ ウヤフジヌ ウンケー スーィビングトゥーニ、リッパニ ウンケー スミティー ウタビミスーリー、
(これから 御先祖様のお迎えをいたしますので、立派にお迎えができますように、させてください。)クマヤ (住所)(苗字)ヌ チネーサンムトゥーカラ ディービル、
(ここは(住所)(苗字)の家でございます。)クァックマガンチャー スルティー ウヤフジガナシーヌ ウンケー スー亥ビーグトゥニ、
(子ども達孫達、子孫皆が揃って、御先祖様のお迎えをしておりますので、)(苗字)ヌ ウヤフジガナシー、クマカラ ヤーンカイ、メンスーチー クミスーリー、ウートゥートゥー
((苗字)の御先祖様は、どうぞここからいらっしゃいますように、ウートゥートゥー)」
※ちなみに、沖縄では馴染み深い言葉ですが「ウートゥートゥー」は拝みの言葉で、本州で言うところの「なーむー」のような感覚です。
門前で付けたヒラウコー(平線香)
さて、門前で付けたヒラウコーですが、地域や家によって拝み後の扱いに違いがあります。
【 沖縄の旧盆:門前のヒラウコーの扱い 】
★ ウジューヌカミ(門の神)様へ拝みを捧げた時、火を付けて拝したヒラウコー(平線香)は、地域によって下記の二通りの方法が多いです。
① 門前に拝したまま、火が消えるまで置いておく。
② 門前での拝み後に、途中まで火が付いた状態のヒラウコー(平線香)を、家の中の仏壇のウコール(香炉)まで移動して、ウコールに拝してから、仏前の拝みを行う。
門前のヒラウコーを仏前に移動する②の方法では、ヒラウコーを移動する際に、「チネーサンムトゥンカイ、アンネーサビラ(これから家までご案内します。)」と一言添えてください。
お仏壇での御先祖様の迎え方
ウンケーでのお仏壇の準備は別記事、「【沖縄の旧盆】2019年は8月13日!ウンケー5つの基本」で詳しくお伝えしています。
迎える御先祖様がお一人の場合には、お供えの膳も一膳で良いのですが、複数の場合には、お供え膳も複数(二膳)、お箸(ソーローハーシ)も複数準備をしてください。
【 沖縄の旧盆:仏前での拝み方 】
★ 家長はヒラウコー(平線香)をタヒラ(二片=日本線香12本)ですが、残る家族は一人半ヒラ(半分=日本線香3本)で充分です。
・ 最初に家長が門前と同じく、「今日はウンケー(お迎え)の日ですので、子や孫、子孫皆でお迎えをしています。」とお伝えしてから、残る家族のヒラウコー(平線香)を拝します。
残る家族がヒラウコー(平線香)を拝する時にも、自分達の名前を伝える方が丁寧です♪
また、本州の日本線香はヒラウコーよりも香りが高く、「高級」とも言われてきたために、特別な日である沖縄の旧盆では、ヒラウコー(平線香)ではなく、敢えて日本線香を用いる家も多く見受けます。
昔の沖縄では、この香り高い日本線香を「カバシウコー(香り線香)」とも呼んできました♪
お仏前で迎える、拝み言葉(グイス)
では、昔ながらのウンケーでの、お仏前での拝み言葉(グイス)をお伝えします。
【 沖縄の旧盆:仏前でのウンケーの拝み言葉 】
★「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー、(あな尊き 御先祖様)
チューヤ シチグァッチヌ ウンケーヌヒー ナトゥーィビーン、
(今日は旧盆のお迎えの日です)チューカラ ジュウグニチマディ チネーサンムトゥ ウトゥーティー、マグクルクミテぃ シチグァッチヌ ウトゥイムチ ザビングトゥニ、
(今日から十五日にかけて、家で真心込めたおもてなしをしていますので、)ウキトゥイジュラサァー ウタビミスーリー、(受け取ってください)」
★「ナイムヌーカジカジィー、ウゥージィーニー、ウンケージューシー、ウンケーダーグー…、
(果物などなど、ウージやウンケージューシー(沖縄風炊き込みご飯)、ウンケー団子…、)イルイル ウカザイ アギャビティー クヮックウワンマガンチャー スルティー、シチグワッチヌ ウトゥムチ スーリビーグトゥー ウキトゥイジュラスァー ウタビミスーリー、
(いろいろ飾りまして、子孫揃って、旧盆のおもてなしをしておりますので、受け取ってください。)
マタ、ニンマサイマサイ、クワッウマガンチャー ムル、カラダガンジューニー アラチクミスーチー、サカイハンジョウ シミティクミスーリー、ウートゥートゥー。
(また、年々子孫皆が、体を頑丈にしてくださり、繁栄させてくださいますように。」
いかがでしたでしょうか、今日は昔ながらの沖縄の旧盆での、門前で御先祖様を迎える方法や拝み言葉(グイス)、お仏前でのお迎えの仕方や拝み言葉(グイス)についてお伝えしました。
「せっかくだから丁寧に拝みたい!」と言う声も多いので、詳しくお伝えしてみましたが、現代では現代に合わせた、今の言葉で拝みを捧げても問題はありません。
拝み方自体も、平屋の一戸建てが一般的だった時代から、マンションなどの集合住宅が多くなりました。
そのために門前での拝みも、安全第一とろうそくを立てず、ランタンなどの灯を灯したり、ヒラウコー(平線香)も火を付けずに拝む家も多く見受けられます。
より安全で気軽に拝み事ができるよう、心を込めつつも、少しずつ変化をして行っても良いのかもしれません。
【 沖縄の旧盆に関する記事一覧 】
・【沖縄の旧盆】2019年は8月13日!ウンケー5つの基本
・【沖縄の旧盆】2019年は8月14日!中日5つの豆知識
・【沖縄の旧盆】2019年は8月15日!ウークイ5つの手順
・【沖縄の旧盆】お墓で行うウンケー(初日)の拝み言葉
・【沖縄の旧盆】門前とお仏壇で行うウンケー(初日)の拝み言葉
・【沖縄の旧盆】仏前でのウークイ(最終日)の拝み方
・【沖縄の旧盆】門前でのウークイ(最終日)の拝み方
まとめ
ウンケーでの拝み方と拝み言葉(グイス)
・門の両脇にろうそく、中央にヒラウコーを拝する
・まずじゅーヌカミ様(門の神様)へご挨拶をする
・続いて門前から仏前へ、御先祖様を案内する
・門のヒラウコーはそのままの家、仏前へ移動する家がある
・仏前では家長が二片、家族は半片を香炉に拝する
・仏前ではお供え物や子孫が揃い迎えていることを伝える
・家族の健康と繁栄へのお見守りも、一緒にお願いする