清明祭(シーミー)2020年☆基本をおさらい、その1
清明祭(シーミー)の季節がいよいよ近づいてきましたね!「清明祭(シーミー)」は沖縄では一年のなかでも大きな墓前祭、お墓参り行事です。
ここぞとばかりに親族が集まり、年に一度だけ、毎年清明祭(シーミー)だけ顔を見る親族もいるほどです(笑)。
そんな清明祭(シーミー)はおばぁが中心に仕切ることが多いですが…、いざ自分が仕切る年代になったら…、意外にも曖昧で不安になりますよね。
そこで今日は、沖縄の一大お墓参り行事、「清明祭(シーミー)」の拝み方と流れの基本を、今回はパート1として、前準備からおさらいしていきます。
清明祭(シーミー)2020年☆
基本をおさらい、その1
清明の節気に行う「清明祭(シーミー)」
沖縄には清明祭(シーミー)以外にも、旧暦1月16日にお墓参りをする「十六日(ジュウルクニチ)」行事がありますが、コチラは主に離島地域・北部の一部地域がほとんどです。
本島で十六日(ジュウルクニチ)を行う場合には、多くが「初十六日(ミージュールクニチ)」と言って、家族が亡くなってから初めて迎える十六日ではないでしょうか。
一方清明祭(シーミー)は、主に沖縄本島に広く残る旧暦行事です。
【 清明祭(シーミー)の時期 】
☆ 旧暦では季節感を持たせるため、「二十四節気」が共に使われてきました。この「二十四節気」の内の「清明」の節気に行うのが、「清明祭(シーミー)」です。
・ 新暦2020年の「清明」の節気は4月4日~4月18日!ちなみに2021年の清明の入り(節気の始まり)も4月4日(日)です。
二十四節気は旧暦と同じく、新暦と重ねると毎年少しずつ日にちがずれますが、おおまかな日付では言えば、今年と同じく、4月5日~4月20日頃を目安とします。
昔ながらの慣わしに従えば、この節気内でお墓参り行事を行うべきなのですが…。最近では本州式のスペースの狭い霊園のお墓も増えたため、混雑を避けるために、時期をずらしてお参りをする様子も見受けます。
少し寂しい気もしますが、沖縄の昔ながらの個人墓地は、核家族化した現代の墓主の負担は大きいですよね。よりストレスなく御先祖供養ができるよう、時代に沿った柔軟な変化も必要なのかもしれません。
清明祭(シーミー)と神御清明祭(カミウシーミー)
門中や家によっては、清明祭(シーミー)の前に、「神御清明祭(カミウシーミー)」を行う家もあります。でも、「神御清明祭(カミウシーミー)って何?」と言う方も多いですよね。
【 神御清明祭(カミウシーミー)とは? 】
☆ 門中や家にゆかりのあるお墓をお参りすることを「神御清明祭(カミウシーミー)」と言います。
・ その昔の按司墓(アジバカ・アジシーバカ)であったり、門中によっては史跡を巡る場合もあり(沖縄では有名な歴史上の人物のお墓が御嶽や史跡になっていることが多いです。)、辺境にあるお墓もあります。
…本州出身の方が初めて神御清明祭(カミウシーミー)に訪れると、そのお墓があまりの辺境にあったり、岩山にあってお墓に見えなかったりで、とても驚くことがも多いです(*^_^*)
この記事のトップの写真がありますよね…、こんな感じのお墓も多いんです♪
【 神御清明祭(カミウシーミー)の時期 】
★ 神御清明祭(カミウシーミー)も同じく清明の節気に行うのです。
・ ただし、現代使用しているお墓へお参りする「清明祭(シーミー)」よりも前に行く習わしがあります。
現代では若い世代が本州へ移住するなどして、墓主が高齢化したために、辺境にある個人墓地のお墓の管理がしきれなくなるなどの理由で、改葬(お墓の引っ越し)も増えました。
それでも風葬があった沖縄では、閉眼供養(お墓を閉じること)をした後にも、「その場所に残る魂がある」と考える人々は多く、このようなお墓跡を「神御清明祭(カミウシーミー)」として参る人も見受けます。
清明祭(シーミー)のお供え物(ウサギムン)
清明祭(シーミー)はお墓参り行事ですが、名前に「祭」とあるようにお祝い事です♪そのためお供え物も弔事用(白のみのお供え物)ではなく、お祝い用で準備をします。
【 清明祭(シーミー)のお供え物 】
① 重箱(ジューバク)料理の御三味(ウサンミ)
…沖縄の拝み事では定番のジューバク(重箱)もお祝い用なので、昆布は「結び昆布」、かまぼこは「紅かまぼこ」となり、お祝い具材の田芋(ターンム)の使用もOKです。
② 基本のお供え物
…基本のセットとして、お酒(外の拝みでは泡盛のワンカップが多いです。)・供え花(菊など)・お茶(ウチャトゥ)・水(ミジトゥ)を用意してください。
③ 果物の盛り合わせ
…男性を表すバナナ、女性を表すりんご、子孫繁栄を意味するみかんの盛り合わせが多いです。
※ ウチジヘイジ
… 清明祭(シーミー)では現地で土地神様(ヒジャイガミ=左神)と墓前の御先祖様へ拝みますので、途中でお供え物のお重に補充するおかずを、別タッパーで準備をしてください。
…以上が清明祭(シーミー)の主なお供え物(ウサギムン)です。とは言っても重箱(ジューバク)料理などは「ひと言で言われても…。」と戸惑う方も多いですよね。
清明祭(シーミー)の重箱料理については、別記事「清明祭(シーミー)の重箱料理☆安心できる3つの基本」でお伝えしますので、コチラも参考にしてください。
お供え物(ウサギムン)以外の道具
清明祭(シーミー)ではお墓の土地神様である左神(ヒジャイガミ)様と墓前の御先祖様への拝みがあります。
現代では少なくなりましたが、お墓の敷地内に入る時にも、向かって左側にヒラウコー(平線香)を立てて報告しますよね。
忘れ物のないように、拝みの道具も準備万端に用意できれば安心です。
【 清明祭(シーミー)の拝み道具 】
① シルカビ
… 左神(ヒジャイガミ)様へ拝む時に用います。半紙を千切ったものですが、ヒジュルウコー(火を灯さない平線香)の下に敷くためのシルカビも準備をしてください。
② ウチカビ
… ウチカビは御先祖様への拝みの後に焚いて煙にして、天へ「あの世のお金」として届けます。一般的な慣習では、拝みの中心である家長が五枚、その他の集まった親族が三枚ずつです。
③ カビバーチ(ヒバーチ=火鉢)
… ウチカビやシルカビを焚くための金属ボウルや陶器の鉢などです。お墓によっては右側(向かって左側)に専用スペースを設けたお墓もあります。
…以上ですが、墓前でウサンデー(お供え物を下げて集まった皆でいただくこと)をする場合には、ウサンデーの準備が必要ですよね。
【 清明祭(シーミー)でお墓の掃除 】
★ また、お墓での清明祭(シーミー)の拝み前には、お墓掃除がありますので、掃除道具(バケツやスポンジ、ぞうきん、柄杓)なども準備をしてください。
ウサンデーの準備としては、行楽行事と同じ要領です。敷物やコップやお皿など…、ただ高齢の方が多いので、日よけになる屋根や日傘、地べたに座ると足腰がいたい高齢の方々へ配慮した、キャンプ椅子なども持って行くと役立つのではないでしょうか。
また現代では重箱(ジューバク)料理の御三時(ウサンミ)を純粋にウサンデーする家も少なくなりました。最近ではお供え物(ウサギムン)とは別に、仕出し弁当屋さんで生身(イチミ=生きている人々)のためのお弁当を準備する家も多いです(*^_^*)
ありがとう
いかがでしたでしょうか、今日は間近に迫った清明祭(シーミー)の季節に向けて、清明祭(シーミー)の流れ…、なかでも準備についてお伝えしました。
お供え物(ウサギムン)や拝み道具などを用意すれば、当日はいよいよ清明祭(シーミー)ですが、お墓参りに出掛ける前にはヒヌカンやお仏壇にも同じくお供えと拝みを捧げます。
お墓に到着した後も、①敷地内に入る前の拝み→②左神(ヒジャイガミ)様への拝み→③墓前(御先祖様)への拝み→ウサンデーと続きますので、言葉にすると大変そうに感じるかもしれません。
けれども一度主立って進めてしまうと、清明祭(シーミー)の流れも掴めるので、翌年からはスムーズです。
【 沖縄の旧暦行事、清明祭(シーミー)の記事 】
・ 清明祭(シーミー)2019年☆基本をおさらい、その1
・ 清明祭(シーミー)2019年☆基本をおさらい、その2
・ 清明祭(シーミー)2019年☆基本をおさらい、その3
・ 清明祭(シーミー)のお供え物☆安心できる5つの基本
・ 清明祭(シーミー)で拝む言葉☆お参りでの5つのグイス
・ 霊園での清明祭は初めて!本州や大きな門中に学ぶ
まとめ
清明祭(シーミー)の準備とは
・縁あるお墓を参る「神御清明祭」がある
・神御清明祭を先に行う
・基本に重箱料理、果物を供える
・ウチジヘイジも準備する
・ウチジヘイジは途中で補充する御三味
・シルカビ、ウチカビ、カビバーチも用意する
・お墓掃除の道具も準備して行く