屋敷の御願 沖縄の御願

屋敷の御願で何を祈る?③ユンシヌカミへのグイス

屋敷の御願で何を祈る?③ユンシヌカミへのグイス

屋敷の御願では、ヒヌカン→祖霊の後にユンシヌカミ(四隅の神)へ拝みますよね。

ユンシヌカミ(四隅の神)は東西南北の4カ所の拝み処がありますが、その廻り方については、先日お伝えしました。(「屋敷の御願で何を祈る?②祖霊とユンシヌカミへの廻り方」)

廻り方が分かったところで、続く拝みのグイスが気になりますよね。そこで今日はユンシヌカミ(四隅の神)へ、屋敷の御願で唱えるグイス(言葉)をお伝えします。

手を合わせる前に拝するヒラウコー(沖縄線香)はタヒラ(2枚=日本線香12本)、以降の言葉はぜひ、コチラの記事を参考にしてください♪

屋敷の御願で何を祈る?③
ユンシヌカミへのグイス

ユンシヌカミへのグイス、その1

…では、ユンシヌカミ(四隅の神)への屋敷の御願でのグイス(祝詞)をお伝えします。まず最初に、四隅の神様それぞれのお名前をお呼びしてください。

【 屋敷の御願:ユンシヌカミへのグイス 】

☆ 「ウートゥートゥー、ニヌファヌウカミガナシー、(あな尊き、北の神様)」

「本日の果報な日、〇月の屋敷の御願をさせていただきます

お蔭様で屋敷も無事に、お酒にカラミハナ(花米=※1)、ウチャヌクと果物をお供えし、家族みな揃って〇月の屋敷の拝みを捧げております。」

…ここまでは祖霊の神様と同じですね。

(※1)カラミハナは花米で、炊いていないお米粒…、沖縄の御願では定番です。「ニヌファのウカミガナシー」の部分については、拝み処で変わりますが、詳しくは次の項でお伝えしていきます。

四隅それぞれの神様のお名前

「ニヌファヌウカミガナシー」の部分の言葉は、四隅の拝み処それぞれで変わります。まず「ニヌファ」は「北」を差しており、「ウカミガナシー」は「ウカミ」が「御神」、「ガナシー」が「様」ですので、「御神様」です。

【 屋敷の御願:四隅の神様のお名前 】

・ ニヌファ(北の方角)ヌ(の)ウカミ(神)ガナシー(様)
・ ウヌファ(東の方角)ヌ(の)ウカミ(神)ガナシー(様)
・ ウマヌファ(南の方角)ヌ(の)ウカミ(神)ガナシー(様)
・ トゥイファ(西の方角)ヌ(の)ウカミ(神)ガナシー(様)

…と言葉が変わります。

ちなみに、四隅の方角に当たる干支を差しているので、その干支の沖縄言葉と捉えると、覚えやすいです。

【 屋敷の御願:方角を表す干支 】

・ ニ(子=ねずみ)ヌ(の)ファ(方角)
・ ウ(卯=うさぎ)ヌ(の)ファ(方角)
・ ウマ(午=うま)ヌ(の)ファ(方角)
・ トゥイ(酉=とり)ヌ(の)ファ(方角)

…こうお伝えすると、難しそうな沖縄の言葉でも、「なるほど~」と、グンと覚えやすくなるのではないでしょうか。

屋敷を守る精霊、神様へ祈願する

続いて、屋敷を守っているさまざまな精霊に呼び掛けます。

【 屋敷の御願:屋敷を守る精霊に話しかける 】

☆ 「チチヌシー・イシヌシー・キーヌシー(※2)、皆さまどうぞお居場所に鎮座してくださり、お聞き入れください。」

…ここで、(※2)で呼びかけているのは精霊「チチヌシー・イシヌシー・キーヌシー」です。

【 屋敷の御願:精霊の沖縄での呼び名 】

☆ それぞれ

・「チチ(土)ヌシー(主)=土の精
・「イシ(石)ヌシー(主)=石の精
・「キー(木)ヌシー(主)=木の精

と呼んでいます。このように細かくお伝えしていくと、現代の言葉との共通点も多く、屋敷の御願でのグイスは案外と覚えやすいですよね♪

屋敷の御守護への御願

ユンシヌカミ(四隅の神)、屋敷を守る精霊(土の精・石の精・木の精)のお名前を唱え、ウサギムン(お供え物)の内容をお伝えしたら、ヒヌカンや祖霊と同じく屋敷の守護を祈願します。

【 屋敷の御願:守護を祈願 】

☆ 「どうぞヤナカジやシタナカジ、シジナランムヌ(※5)を皆さまのお力で跳ね返してくださいませ。

そして神々の皆さま力を合せ、この家をクガニヤシチ・ナンジャヤシチ(※6)でありますよう、どうぞお見守りください。」

(※5)のヤナカジ・シタナカジ・シジナランムヌは「悪霊(風)」「穢れた霊(風)」「支持されないもの(嫌なもの)」でしたよね♪

(※6)のクガニヤシチ・ナンジャヤシチは、「ヤシチ」が「屋敷」、「クガニ」は「黄金(こがね)」、「ナンジャ」が「白銀」ですので、お金や良い物事が集まる屋敷の意味合いです。

家族の無事と幸せを祈願する

最後に、屋敷(家)に住む家族の無事と健康、果報(幸せなお知らせ)がたくさんこの家に訪れることを祈願します。

【 屋敷の御願:家族の祈願 】

☆「そして、屋敷(家)で暮らす家族が、健やかに穏やかに、幸せに今後も暮らしていきますように…。

・ 百果報訪れますよう、どうぞ、ミーマンティ ウタビミスーリー ウートゥートゥー(見守っていてください。)」

これで、屋敷の御願、ユンシヌカミ(四隅の神)への御願は終わりです。これを北→東→西→南の四ケ所で廻り拝んでください。

ユンシヌカミ(四隅の神)への拝みの後

…以上のようにユンシヌカミ(四隅の神)へ拝みを終えたら、毎回それぞれに供えていたシルカビを神様の前で焚きます

ですので、屋敷の御願ではカビバーチ(ウチカビやシルカビを焚くための金属ボウルなど)も準備をしてください。

【 ユンシヌカミへの拝みの後 】

① 神様の目の前で、シルカビ(神様のお金=※7)を、カビバーチに焚きます。

② お供えをしていたお米(花米=カラミハナ、洗い米=アライミハナ)を少し、ウサンデー(お下げ)して、カビバーチに入れてください。

③ お供えをしていたお酒をウサンデー(お下げ)して、さらにカビバーチに3滴ほど掛けたら、ユンシヌカミ(四隅の神)への拝みは終了です!

【 屋敷の御願に関する拝み 】

【沖縄の御願】屋敷の神様って?
屋敷の御願の進め方☆家族が疲れたら行いたい5つの流れ
屋敷の御願のお供え物☆イラストで詳しく解説します
マンションで屋敷の御願☆家の神々への拝み方

屋敷の御願で何を祈る?①最初に拝むヒヌカンへのグイス
屋敷の御願で何を祈る?②祖霊とユンシヌカミへの廻り方
屋敷の御願で何を祈る?③ユンシヌカミへのグイス
屋敷の御願で何を祈る?④ジョウヌカミとフールヌカミ
屋敷の御願で何を祈る?⑤最後に拝むナカジンヌカミ

※リンクが繋がらない記事は、まだアップされていないものかもしれません。順次アップしていきますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

 

いかがでしたでしょうか、今日は家庭で拝む屋敷の御願、ヒヌカン→祖霊(お仏壇)に続いて、ユンシヌカミ(四隅の神)への拝み方とグイス(祝詞)をお伝えしました。

屋敷の御願でのお供え物は、比較的多くの地域で用いられる方法をお伝えしていますが、地域や家庭によって違うことも多いです。

特にユタさんなどは独自の方法で拝む方もいますが、一般家庭であれば、今回お伝えした拝み方で問題はありません。

続いて、ジョウヌカミ(門)→フールヌカミ(トイレ)→ナカジンヌカミ(中陣=玄関と門の間の庭)へと続きます。残りの記事も順次アップしますので、ぜひ、参考にしてください。

まとめ

ユンシヌカミ(四隅の神)へのグイスとは

・ウートゥートゥー、○○ヌガナシー
・○○には四隅の神の名を挙げる
・東西南北の神様は干支で覚える
・屋敷を守る精霊にも感謝をする
・嫌なものを払いのけてもらう
・良い屋敷となるよう祈願する
・家族の健康と無事を祈願する