屋敷の御願 沖縄の御願

屋敷の御願で何を祈る?①最初に拝むヒヌカンへのグイス

【沖縄の旧盆】門前とお仏壇で行うウンケー(初日)の拝み言葉

屋敷の御願については、これまでもさまざまな記事でお伝えしていますよね。「屋敷の御願のお供え物☆イラストで詳しく解説します」など、一連の屋敷の御願の記事を読めば、お供え物や流れは分かります♪

けれども、「それぞれの神様へは何と拝めば良いの?」と言う声も多いです。そこで今日は、屋敷の御願でそれぞれの神様へ拝む言葉、「グイス」をお伝えします。今日はその第一弾!最初に拝むヒヌカンへのグイスです。

…と言っても、家庭の主婦の拝みは現代語で問題ないので、内容を理解するつもりでぜひ、参考にしてください。

屋敷の御願で何を祈る?①
最初に拝むヒヌカンへのグイス

その1、お供え物の報告

それぞれの神様へのグイスをお伝えする…と言っても、屋敷の御願ではお仏壇を合わせて6柱(四隅それぞれまでいれると9柱)の神様です。

ですので、まずはヒヌカンへのグイスをかみ砕いてお伝えしていきます。お供え物は「屋敷の御願のお供え物☆イラストで詳しく解説します」を参考にしてください。

【 屋敷の御願:お供え物のご報告 】

☆「ウートゥートゥー、ヒヌカンディービル」

「本日、果報なこの日に〇月の屋敷の拝みをさせていただきます。

屋敷の拝みに当たり、ウグシー・アライミハナ・カラミハナ・ウチャヌク・シルカビ(※)をお供えさせていただきました。

屋敷の拝みで祈願をいたしますので、どうぞお聞き入れください。」

(※)のお供え物はお馴染みですが、ウグシーは「お酒」、アライミハナは「洗い米」、カラミハナは「花米」、ウチャヌクは白いお餅の三段重ねを意味します。

シルカビは半紙を千切った、屋敷の御願で捧げる神様へのお金です。詳しくは「シルカビやウチカビ☆作り方や使い方5つの豆知識」を参考にして下さい。

その2、神々へ感謝を捧げる

沖縄では屋敷(家)には多くの神様がいるとされています。さらに、天の神(ウティンヌカミ)地の神(ジーチヌカミ)も、屋敷(家)や人々を見守っているとされてきました。

【 屋敷の御願:神々への感謝 】

☆ 「ヒヌカン(火の神)、ユンシヌカミ(四隅の神)、ジョウヌカミ(門の神)、フールヌカミ(トイレの神)、ナカジンヌカミ(中陣の神)様。

いつも屋敷と屋敷に住む家族をお見守りいただいている、屋敷の神々様…、そしてウティンヌカミ(天の神)ガナシー、日々のご加護を誠にありがとうございます。」

…家庭の主婦の拝みですから、意味合いが合っていれば、言葉尻は違っても問題はありません。

また、「ウティンヌカミ(天の神)」の部分は、屋敷の御願の時期によっても変わります。夏の屋敷の御願(旧暦八月頃)は「ジーチヌカミ(地の神)」とする地域が多いです。

その3、悪疫から屋敷を守る

ここまでは屋敷の御願のなかでも、報告や感謝を伝える部分ですが、ここからは祈願となります。まずは、悪しきものから屋敷を守ってもらいましょう!

【 屋敷の御願:ヤナカジ・シタナカジ 】

☆「ヤナカジ、シタナカジ(※1)やシジナランムヌ(※2)は追い払いくださいませ。

そして、本年も果報、福徳が数多く訪れ、クガニヤシチー、ナンジャヤシチー(※3)となりますよう、どうぞお見守り下さい。」

(※1)のヤナカジ、シタナカジは、ヤナカジが「悪い風=悪疫や悪霊」、シタナカジが「穢れた風=穢れた霊」を差す言葉で、沖縄のお祓いで祓われる存在です。

(※2)のシジナランムヌは「指示しないもの=必要ではないもの」を差し、これらを追い出してもらうよう、祈願します。

(※3)はクガニヤシチー、ナンジャヤシチーは、クガニヤシチーが「黄金屋敷」、ナンジャヤシチーが「白銀屋敷」であり、福徳溢れるお屋敷です。

ヒヌカンへの拝み方

以上が屋敷の御願、ヒヌカンへのグイス(拝む言葉)です。拝み方は簡単です。

大切な点は、屋敷の御願ではヒヌカンを最初に拝むこと…、ヒヌカンはウトゥーシドゥクル(お通し処)なので、最初に拝むことで、他の神々へ「これから回りますよ~。」と伝えてくれます。

【 屋敷の御願:ヒヌカンへの拝み方 】

① ウサギムン(お供え物)を供えてください。(「屋敷の御願のお供え物☆イラストで詳しく解説します」)

② ヒラウコー(平線香=沖縄線香)を、タヒラ半(二枚と半分)拝します。

③ 家長が上記のグイスを唱え、家族は手を合わせての御願です。

④ グイスを唱え終えたら、お供えをしていたシルカビを燃やして終わります。

ここも神職のヒラウコーの拝し方、シルカビの燃やし方までありますが、ここは家庭での拝み…、気持ちを込めてここまで行えば、全く問題はありません。

いかがでしたでしょうか、今日は屋敷の御願で家長が唱えるグイス(拝みの言葉)をお伝えしました。屋敷の御願では、大黒柱である家長の男性が拝むことも多いですが、ヒヌカンへの拝みに関しては、女性が行う家庭も多くあります。

また、最初と最後に「ウートゥートゥーディービル」と添える家も多いので、コチラの言葉も添えてみてください。ただ、「ウートゥートゥー」は、沖縄では定番の拝みの言葉ですよね。全国的な「なーむー」のようなものでしょうか。

ヒヌカンから続く屋敷の神々へのグイスも、シリーズでお伝えしますので、ぜひ、コチラも併せて参考にしてみてください。(順次、アップしていきます。)

【 屋敷の御願に関する拝み 】

【沖縄の御願】屋敷の神様って?
屋敷の御願の進め方☆家族が疲れたら行いたい5つの流れ
屋敷の御願のお供え物☆イラストで詳しく解説します
マンションで屋敷の御願☆家の神々への拝み方

屋敷の御願で何を祈る?①最初に拝むヒヌカンへのグイス
屋敷の御願で何を祈る?③ユンシヌカミへのグイス
屋敷の御願で何を祈る?④ジョウヌカミとフールヌカミ
屋敷の御願で何を祈る?⑤最後に拝むナカジンヌカミ

※リンクが繋がらない記事は、まだアップされていないものかもしれません。順次アップしていきますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

まとめ

屋敷の御願でのグイス①ヒヌカン

・今日の日とお供え物の報告する
・屋敷を守る神々へ感謝を伝える
・悪疫や穢れたものを跳ね返す
・グイスを唱えたらシルカビを焚く
・家庭の拝みでは現代語も問題ない