ウンネーウイミはンムニーを供えて☆レシピと拝み方

ウンネーウイミはンムニーを供えて☆レシピと拝み方

ウンネーウイミは「芋折目」、かつて沖縄では貴重な食料であった、芋の収穫に感謝し、次期の豊作に祈願をする拝みですよね。

特に那覇市都市部などでは、現代では見られなくなったウンネーウイミですが、今では作物の収穫祭などの御願は、商売繁盛や子孫繁栄として拝まれます。

そこで今日は、旧暦11月13日(2018年では12月19日)頃に行う、沖縄のウンネーウイミの拝み方と、ウサギムン(お供え物)のレシピをお伝えします。

ウンネーウイミはンムニーを供えて☆
レシピと拝み方

ウンネーウイミ(芋折目)のウサギムン(お供え物)

その昔、「芋(甘藷)」は沖縄の人々にとって主食にもなっていた、大変貴重な食物でした。

毎年、だいたいトゥンジー(冬至)よりも前に訪れるこのウンネーウイミでは、お祝いでよく供えられる「田芋(ターンム)」料理をお供えします。

【 ウンネーウイミのウサギムン(お供え物) 】

☆ 「ターンム(田芋)」を練り潰した「ンムニー」をお供えします。「ンムニー」とは珍しい名前ですが、「芋煮」と書いて「ンムニー」です。

・ ウサギムン(お供え物)だけではなく、昔の沖縄では日ごろからお母さんが作る、「母の味」のひとつでした。台風の日や節約料理として、おやつとしても、良く作られてきた料理です。

ンムニーは水の量などで、固めの羊羹風にできたり、栗きんとんのような料理になったりします。ウンネーウイミでは、きんとん風のお皿を供える家庭が多いです。

ウンネーウイミで供える、「ンムニー」レシピ

ターンム(田芋)だけのンムニーを作る家庭も、昔は多くあったのですが、現代ではターンム(田芋)と紅芋を混ぜ合わせたり、サツマイモを用いたりもします。

【 ウンネーウイミのンムニー 】

① 皮は剥いて下準備をしてください。適当な大きさに乱切りをして、ひたひたの水を入れて鍋に掛けます。

② 中火で芋がすっかり柔らかくなるまで炊いたら、煮汁は残しておいてください。コップ一杯ほど残せば大丈夫です。

③ 鍋の中で潰すように煮た芋を練って行きます。練りながら味を見ながらお砂糖を入れ、甘みを引き立たせる程度に塩で調整してください。

※ 砂糖と塩は味を見ながら入れるのですが、目安としては、1kgの芋に対して砂糖1/3カップ程度、塩は甘みを引き立たせる程度の2さじほどです。

④ ずっとすり潰していくと、きんとんのようになるので、そこに②で残しておいた煮汁を加えます。

⑤ 白玉粉:水が1:2になる量を目安にして、白玉粉を水で溶き、④の鍋に加えながら、弱火でさらに練って行くと…、ンムニーの完成です♪

最後の白玉粉の目安は、芋1kgなら1/2カップほど(水は1カップ)ですが、お砂糖も白玉粉を水で溶いたものも、少しずつ入れながら状態を見て作ります。

…と言うのも、使用する芋がその時々によって違ったりします(笑)♪

ウンネーウイミであれば、我が家では紅芋500g、ターンム(田芋)300gほどで作ることが多いですが、さまざまです。

羊羹風に手でいただく、ンムニーレシピ

最後の水で溶いた白玉粉は、よりムッチリ、きんとん風に仕上げる時に役立ちますが、入れずに練って行く家庭も多いです。

また、昔のウンネーウイミのようにきんとん風にせず、後々ウサンデー(お供え物を下げていただくこと)をするために、食べやすい羊羹風に仕上げるお家も増えました。

【 ウンネーウイミ、羊羹風ンムニー 】

① 紅芋とターンム(田芋)はそれぞれ皮を剥いて、手ごろな乱切りに下準備をしてください。

② ターンム(田芋)は茹でたら、マッシュポテトのように潰しておきます。

③ 紅イモは蒸してください。こちらもターンム(田芋)と同じくマッシュポテトのように潰します。

④ 潰したターンム(田芋)と紅イモを混ぜ合わせたら、さらにお砂糖と塩を、味を見ながら加えてください。

⑤ 型にクッキングペーパーを敷いて入れ固めたら、手ごろな大きさ(小さな羊羹のような大きさ)に切り分けて、供えます。

…以上が羊羹風ンムニーの作り方です。お砂糖も甘さを見ながら適当な量を加えますが、目安としては紅芋500g、ターンム300gほどの場合には、大さじ8杯ほどでしょうか。

この甘みも、黒糖やきび砂糖、上白糖などなど…、お砂糖によって適量が変わりますので、やはり昔ながらの作り方で、味を見ながら加えることをおすすめします。

ウンネーウイミの拝み方

ウンネーウイミは拝みよりも、この「ンムニー」などの芋料理をお供えすることが大切なので、丁寧にお供え物を捧げれば、後は手を合わせれば問題はありません。

【 ウンネーウイミの拝み方 】

☆ まずヒヌカン(火の神)へ、作ったンムニーの椀を、丸善に置いて供えてください。そして、ウンケーウイミのお供えをしたこと、日々の食物の糧への感謝を捧げます。

・ 続いてお仏壇にンムニーの椀を、同じく丸善に置いて供えますが、お仏壇にはお箸を添えます

ヒヌカン(火の神)へ供える時には、もともと供えてあるお水とお酒を捨てて入れ替えてください。ヒラウコー(沖縄線香)は、タヒラ半(二枚半=日本線香十二本と三本)です。

お仏壇では、お茶とお酒を入れ替え、ヒラウコーをタヒラ(二枚=日本線香十二本)拝して、手を合わせます。

いかがでしたでしょうか、今日は、沖縄では大切な食材であった芋の収穫に感謝し、次期の豊作を祈願する「ウンネーウイミ(芋折目)」について、特にウサギムン(お供え物)を中心にお伝えしました。

ンムニーは簡単なので、手作りをする家庭が多いですが、沖縄ではスーパーの総菜コーナーなどでも見掛けることがあるので、購入してももちろん、問題はありません。

また、ウンネーウイミは集落行事でもあります。地域によっては、それぞれのお家から芋を持ちより、地域のウガンジュ(拝所)にお供えをして、手を会わせるのが、昔ながらの慣習です。

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※ 記事をアップ次第、リンクを貼っていきますので、楽しみにしてください♪

まとめ

ウンネーウイミのお供え物と拝み方

・ウンネーウイミでは「ンムニー」を供える
・ンムニーは芋を煮て練ったきんとん
・ターンムや紅芋などを使う
・白玉粉を混ぜ入れるとモッチリする
・水を加えずに練って羊羹風にもできる
・ヒヌカンとお仏壇に供えて手を合わせる