タナバタは沖縄のお墓参り☆ お盆の案内5つの流れ①
タナバタは沖縄ではお墓参り行事ですよね。ただ、「タナバタ」は沖縄では旧暦七月七日を差し、新暦七月七日には全国的にも知られる、織姫と彦星伝説が残る「七夕」行事を沖縄でも行います。
旧暦七月七日の「タナバタ」は新暦2019年度では8月7日(水)で、翌週の旧暦7月13日~15日(新暦2019年8月13日火曜日~8月15日木曜日)に行われる、旧盆行事に向け、御先祖様へ旧盆が近づいてきたことをご報告をする行事です。
偶然には2019年度の今年は、本州のお盆日程(毎年新暦8月13日~15日)と重なる年ですよね♪ただ、少しずつ「タナバタ」の沖縄でのお墓参りを行う家庭も、少なくなっています。
そこで今日は、昔から伝わる旧盆前の「タナバタ」行事、沖縄のお墓参りの流れ、前半をお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
タナバタは沖縄のお墓参り☆
お盆の案内5つの流れ①
清明祭(シーミー)や十六日のお参りとの違い
本州では気が向いた時にはいつでも気軽にお参りに行き、故人と話をする慣習がありますが、沖縄では「決められたお墓参り行事の時だけ、お参りをする」慣習が残っています。
そのため、本州の人々のように月命日などにお参りをする姿は少なく、多くの家庭でお仏壇へ拝み、故人に手を合わせてきました。
そんななか、沖縄のお墓参り行事と言えば、初春は「清明(シーミー)」の節句時期に行うお墓参り、「清明祭(シーミー)」などがありますが、タナバタの沖縄のお墓参りは、これらの行事とは少し趣が違う家が多いです。
【 「タナバタ」沖縄でのお墓参り:清明祭との違い 】
☆ 清明祭(シーミー)や十六日(ジュウルクニチ)は、お墓参り自体がメイン行事となるために、多くの親族が集まり、重箱料理をお供え物に用意をして、皆で豪勢に行います。
・ 一方でタナバタの沖縄のお墓参りは、来る旧盆行事のための案内がメインの仕事です。そのために、身内だけで簡易的に拝みを済ませるのみの家庭が多くなります。
…ですから、他のお墓参り行事と違い、重箱料理などのお供え物は用意しません。地域や家によっては、拝み自体も家で済ませて、お墓の掃除のみを行う様子も見受けられます。
門前でご挨拶して、墓地スペースに入る
地域や門中によって違いがありますが、まず墓地スペースへ入る前に、「〇〇(理由)により、これから墓地に入ります」とお断りを入れる拝みを捧げます。
【 「タナバタ」沖縄でのお墓参り①:門前の拝み 】
☆ 拝む場所は門の左側、(向かって右側)です。沖縄のお墓自体にもお墓の左側(向かって右側)にヒジャイガミ(左神)様がいらっしゃいますが、この神様に玄関先で「入りますよ」とご挨拶をする感覚です。
・ シルカビ(※1)の上にヒラウコー(平線香=沖縄線香)をタヒラ半(二枚半=12本と3本)をセットし、これを門の左側に立て掛けるように供え、手を合わせてご挨拶をしてください。
拝みのグイス(祝詞)は一般の方々でれば、さほど気にする必要はありません。沖縄言葉でなくとも、現代語で内容が伝えられれば大丈夫です。
例えば、「本日、今日の良きタナバタの日に、もうすぐ来るお盆のご案内に参りました。どうぞ宜しくお願いいたします。」などと伝えます。
これはいわば玄関先でチャイムを鳴らすようなもので、ヒジャイガミ(左神)様へは、入った後に改めて拝みますので、簡単で問題ありません。
拝んだ後は門の右側より足を踏み入れます。「右足から入る」とする地域や門中もありますので、注意をしてください。
※1 シルカビは半紙を半分に折り、四つに均等に丁寧に千切った紙です。詳しい作り方は「シルカビやウチカビ☆作り方や使い方5つの豆知識」でお伝えしていますので、こちらも参考にしてください♪
まずは、「ヒジャイガミ」様へご挨拶
入ったら最初にヒジャイガミ(左神)様へ拝み、改めてご挨拶をした後に掃除をします。
大きな門中墓などでは午前中に男性がお墓の掃除を済ませ、改めてお墓参りをするケースも多いですが、この場合でも掃除前にはヒジャイガミ様へご報告をしてください。
【 「タナバタ」沖縄でのお墓参り②:持参するもの 】
☆ 用意するもの ☆
・ ヒラウコー(平線香)
・ シルカビ
・ ミジトゥ(水)
・ ウサケ(お酒)
「カビバーチ(紙鉢)」などと呼ばれる、シルカビを燃やすための金属ボウルなど。後ほど墓前にてお花を供えますので、出掛ける時には供え花も用意して出掛けてください。
【 「タナバタ」沖縄でのお墓参り③:ヒジャイガミ様への拝み方 】
① ヒラウコー(沖縄のお線香)はタヒラ半(二枚と半分)を拝します。
② シルカビ・ミジトゥ(水)、ウサケ(お酒)を供えます。
③ 手を合わせて、本日がタナバタの日であること、これからお墓の掃除をすることをお伝えし、無事に掃除ができるように拝んでください。(拝みのグイス=祝詞は、後ほどお伝えします。
④ 拝みを終えたら、シルカビはカビバーチ(金属ボウルなど)の中で燃やし、供えたお酒を掛ければ終わりです。
拝みのグイス(祝詞)は、門前と同様に現代の言葉で、自分なりに内容を揃えて伝えれば問題はありません。ただ、気になる方もいるようなので、一例をお伝えします。
【 「タナバタ」沖縄でのお墓参り②:グイス(祝詞)の一例 】
「ウートゥートゥー、ヒジャイヌウカミガナシー、
(あな尊き、左神様)チャークマ、ウマムイジュラサァー、ウタビミスーチー ウシリガフーディービル。
(常日頃からこの土地をお守りくださり、ありがたく想っております。)チューヤ タナバタヌヒー、ナトーィビーン、ウハカヌスージサビグトゥー、
(今日は七夕の日ですので、お墓の掃除をいたします。)ムナンジュラサー アラチィクミィスーリー、ウートゥートゥ
(どうぞ、無難に行えますように…、なーむー)」
このように、本州では「七夕」と言えば笹の葉ですが…、旧暦七月七日「タナバタ」の沖縄でのお墓参りの手順…、その前半をお伝えしました。
ただ、まだ前半のお墓の掃除前の拝み方までしかお伝えできていませんよね。掃除や掃除後の拝みの手順など、後半の流れについては別記事「タナバタ、沖縄のお墓参り☆お盆の案内、5つの流れ②」にてお伝えします。
タナバタは沖縄ではお墓参りだけではなく、「ヒーナシ(日無し)」と言って神様の目が届かない日とも言われ、改葬や建墓など、他のお墓事を行うにも、適した日とされてきました。
詳しくは、こちらも別記事「沖縄のタナバタやユンヂチに見る、「日無し」信仰」でもお伝えしていますので、コチラもぜひ、併せて参考にしてみてはいかがでしょうか(*^_^*)
【 「タナバタ」に纏わる記事 】
・ タナバタ、沖縄のお墓参り☆お盆の案内、5つの流れ①
・ タナバタ、沖縄のお墓参り☆お盆の案内、5つの流れ②
・ 沖縄のタナバタやユンヂチに見る、「日無し」信仰
・ 沖縄に増えた霊園のお墓参り☆個人墓地と違う5つの作法
・ お墓掃除のポイント☆ピッカピカにする5つの手順
まとめ
沖縄の旧暦行事「タナバタ」、お墓参り手順
・清明祭と違い、身内のみでお墓参りをする
・門の左側で挨拶し、右側より墓地に入る
・最初にヒジャイガミ(左神)様へ挨拶をする
・シルカビ、ヒラウコー(2枚半)、お酒、水を供える
・日ごろの感謝と今日の報告を伝える
・拝み終えたら、シルカビを燃やしてお酒を掛ける