沖縄の御願

シルカビやウチカビ☆作り方や使い方5つの豆知識

シルカビやウチカビ☆作り方や使い方5つの豆知識

シルカビは沖縄の拝みでは欠かすことができませんが、ウチカビと違いスーパーなどで販売されてはいません。「どうやって作るの?」と言う方も多いですよね。

本州でも多く使用するマースの他、魂を抜く(ヌジファ)で使う「サン」など、沖縄の御願では独特の呪具(…と言うと少し大げさですが…)があり、手作りをしています。

…ごくごく簡単でシンプルなのですが、細かな習わしもあるため、一度確認しておくと安心ですよね。

そこで今日は、沖縄の年中行事の拝みで欠かせない、「シルカビ」について、ウチカビの豆知識と共にお伝えします。

シルカビやウチカビ☆
作り方や使い方5つの豆知識

シルカビとウチカビの違いとは

沖縄の拝みでは「シルカビ」と「ウチカビ」がありますよね。これらはどちらも「あの世のお金」です。では、シルカビとウチカビの違いは、一体何なのでしょうか。

【 シルカビとウチカビの違い 】

①シルカビ … シルカビは白い半紙を切って作ったもの、ウティン(天)の神様へ送るお金で、「税金」などと言われています。

②ウチカビ … 藁で作った黄色い紙に、丸い銭の刻印を打ち付けたもので、亡くなった故人があの世で使うお金です。

簡単に言えば、シルカビは神様へ、ウチカビは亡者へ送るお金となります。

「藁が原料」と書きましたが、現在では、ウチカビを沖縄で作る会社では、トイレットペーパーなどの古紙を利用していました。

シルカビの作り方

ウチカビは沖縄では、スーパーに行けばいつも目にすることができますが、シルカビは販売されていません

…と言うのも作るのがとても簡単だから…、とは言っても、少しのしきたりがあるので、注意をしてください。

【 シルカビの作り方 】

①シルカビは3枚1セットになるので、習字の半紙を3枚重ねます。

②まず、縦に半分に折り、しっかりと折り目を付けてください。

③続いて、半分に切った3枚重ねの半紙を四等分に折り目を付けます。

④丁寧に折り目を付けたら、手で丁寧にちぎれば完成です!

…これで、八つ折りの大きさで半分に折られた、4つのシルカビができます。

★シルカビを作る上で重要なポイントは、ハサミを使わないこと!折り目をしっかり付けて、手でちぎることが大切です。

シルカビの使い方

沖縄で拝みを行う方々には馴染みの深い「クバンチン」、これは沖縄の言葉で「後生(あの世)のお金」を差しています。

奇数は沖縄の御願では大切で、シルカビは3枚1組ですが、十円玉を供える場合でも3枚の30円を用意するのが一般的です。

【 沖縄の拝み、シルカビの使い方 】

★拝みの際にお供えの膳に添える他、ヒラウコー(沖縄線香)に火を灯さずに供える「ヒジュルウコー」では、その下に敷いて使います。

・拝みを終えたら金属ボウルなどの中でシルカビを燃やしますが、その後、供えていた花米・洗い米をひとつまみずつ置き、さらにお酒を3滴掛けて終えてください。

ちなみに、「ヒジュルウコー」の「ヒジュル」は「冷たい」、「ウコー」は「お線香」を表しています。

ウチカビも昔は作っていた

続いてウチカビですが、こちらは今では沖縄のスーパーへ行けば、比較的簡単に見つけることができるものです。

100円前後だったりととても安いですので、今ではすっかりスーパーで調達していますが、昔は違いました

【 ウチカビの刻印 】

★戦前ほどのひと昔前までは、ウチカビのための丸い刻印が各家庭にあり、刻印をしていました。

・横一列の銭の刻印の個数も、5つや7つと奇数にする習わしもあったようです。そう聞くと、自分でウチカビを作りたくなりますよね。

ウチカビは故人があの世で暮らすためのお金なので、法事はもちろん、お盆お墓参り行事(清明祭=シーミー)などでも、燃やします。

ウチカビを燃やす枚数は?

このウチカビですが、燃やすことは分かっていても「何枚燃やせば良いんだっけ…」と、各家庭で曖昧ではないでしょうか。

もちろん気持ちが一番大切なので、何枚でも良いのですが、一応決まり事があります。

【 ウチカビを燃やす枚数 】

★拝みを中心で行っている家長が、拝んだ後に最初に5枚を燃やしてください。ここで一度、お酒まで掛けて終えます。

・続いて、集まっている家族や親族が、1人につき3枚を燃やします。こちらもお酒を掛けて終えてください。

お盆などの行事では、最後にお酒の他にお供えしていたお供え物(ウハチ)お茶(ウチャトゥ)なども入れて、あの世に送るのが一般的です。

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の拝みには欠かすことが出来ない、シルカビ・ウチカビについてお伝えしました。

…ただ沖縄では地域によって呼び方も違うので、注意をしてください。おばぁによっては「カビジン」などとも言いますし、ウチカビを燃やすことを「カビアンジ」などとも言います。

また、ウチカビを燃やす時の金属ボウルは、専用のものも販売しています。「カビバーチ」などと言われ、火箸や底網も付いていて便利!

その他、普通の金属ボウルに水を張り、ネギの輪切り(香りの強いもの)などを少し入れて準備をする家庭もあります。

まとめ

シルカビやウチカビの豆知識

・シルカビは神様、ウチカビは故人へ送るお金
・シルカビは半紙を3枚重ねてちぎって作る
・シルカビはヒジュルウコーの下に敷くこともある
・昔はウチカビも銭の刻印を押して作っていた
・ウチカビは家長が5枚、その他3枚を燃やす