沖縄に増えた霊園のお墓参り☆個人墓地と違う5つの作法

霊園

沖縄では霊園へお墓参りに行く慣習には、慣れていないかたも多いですよね。もともと「個人墓地」にお墓を建てる方法が一般的だった沖縄では、本州の霊園のような小さいスペースでのお墓参りに戸惑う方も多いです。

もちろん、沖縄のお墓でも周囲にお墓が並ぶ立地が多いですが、霊園の区画は個人墓地のスペースよりも狭い点は否めず、その狭いスペースだからこその、譲り合いマナーについては不安になる声も多く聞こえます。

本州では「気が向いた時にいつでもお墓参りに行っても良い」とされていますが、沖縄では「お墓参りの日以外に、むやみにお参りをしてはならない」とも言われ、だからこそ、日にちがかちあうためにマナーは不可欠になりますよね。

そこで今日は、本州や大きな門中の慣習やマナーから、個人墓地から霊園へ改葬(お墓の引っ越し)をした家庭が特に注意したい、沖縄の霊園だからこそのお墓参りマナーをいくつかお伝えします。

ぜひ、参考にしてください♪

沖縄に増えた霊園のお墓参り☆
個人墓地と違う5つの作法

代表と家族、少人数に留めるには

沖縄でも霊園のお墓参りであれば、本州と同じく、できれば宗家の代表と家族ほどの少人数で行うことをおすすめします。

大きな敷地に建つお墓とは違う上、左右にも多くのお墓が並ぶのが霊園の特徴なので、スペースの譲り合いが必要です。

そこで最近では、大きな門中でのお墓参り方法や、もともと霊園にお墓を建ててきた、本州のお墓参り方法を取り入れる家庭も多くなりました。

【 沖縄の霊園はお墓参りも少人数で 】

☆ 大きな門中の事例に倣う …

沖縄県最大の門中墓である幸地腹門中では、次々と門中家族の家長が数人並び、順番に大きな香炉に家族分のヒラウコーを拝して拝みます。

それぞれの家庭では出掛ける前にお仏壇へお供え物を並べ、お参りの後、帰宅後に親族が家へ集まって、お仏壇のお供え物をウサンデー(下げていただくこと)しつつ、皆で料理を楽しむ様子が多いです。

☆ 本州式のお墓参りに倣う …

門中や親族単位ではなく、家族単位でそれぞれにお参りをする方法で、お互いに時間を伝えあい、バッティングしないように配慮するケースも増えました。

特に、近年増えて来た屋内型のお墓である「霊廟」や「納骨堂」ともなれば、沖縄の霊園でも、お墓参りでは後に待つご家族がいらっしゃるかもしれません。

沖縄では清明祭(シーミー)や七夕(タナバタ)に、お墓参りが集中するので、尚のこと、混雑を避ける工夫が必要かもしれません。

【 沖縄の霊園なら、お墓参りの時期も検討 】

☆ 旧暦七月七日の七夕(タナバタ)などでは、お墓参りでごった返す霊園も見受けるので、少し時期をずらして行う家庭も多くなりました。

・ 納骨堂や霊廟であれば、事前に予約を入れてみたり、混雑状況を確認してから出掛けるのも一案です。

備品を供える施設も多い

昔ながらの個人墓地に建つお墓では、全ての管理が個人にありますが、霊園はマンションと同じく「管理者」が日々の清掃や管理をしてくれます。

そのため、沖縄の霊園ではお墓参りがしやすいよう、柄杓や水を入れる桶など、必要備品を備えている施設が多いです。(これは本州では良く見られる光景でもあります。)

【 沖縄の霊園でお墓参り:備品チェック 】

☆ 多くが水を入れる桶(バケツ)と柄杓、簡単なホウキなどは備え、自由に借りることができます。

・ ヒラウコーなどは必要本数だけ販売してくれる霊園もありますが、「多くの施設」とは限りません。お花も周辺にお花屋さんがある施設も見受けます。

寺院などへの御挨拶

特に寺院墓地にお墓を建てた場合ですが、お墓参りの前に寺院(本堂)に立ち寄り、御本尊様へ手を合わせてください。

【 沖縄の霊園でのお参り:施設管理者へご挨拶 】

☆ 沖縄では墓地はなくとも納骨堂を供えた寺院も増えましたよね、このような場合でも、日ごろ御先祖様をお守りいただいている御本尊様へ感謝を伝えます。

・ また、日ごろお墓(納骨堂)施設を管理し、清潔を保ってくださっているご住職や施設管理者の皆様にも感謝を伝えると共に、ご挨拶をするのが一般的です。

また、お彼岸などの時期には「彼岸会(ひがんえ)」などと呼ばれる、ご住職の説法を伺ったり、お経を唱える供養に参加する会もありますので、興味のある方は参加をしても良いかもしれません。

【 沖縄の霊園でのお参り:合同供養 】

☆ ちなみに、納骨堂や霊廟などでは定期的にお坊さんがお経を唱えて供養する、「合同供養」を行う民間霊園や寺院も多いです。

合同供養では、納骨している家族が参加できる施設が多いので、時期が合えば参加をしつつ、お墓参りを行ってみてはいかがでしょうか。

お墓の前を通る時

霊園では個人墓地よりも小さいスペース(区画)に、お墓が並んでいます。ですからお墓参りに行けば、当然多くの墓前を通らなければなりません。

【 沖縄の霊園でのお墓参り:他家のお墓 】

☆ そんな時、ついつい墓前を通る度に「前を通らせてください。」と会釈をしてみたり、手を合わせる様子を見受けますが、マナーとしては間違えです。

・ 昔ながらの他家のお墓へのマナーとしては、目を向けずに素通りしてください。これは「他人の家を覗かない」感覚と似ています。

ちなみに、知人や友人のお墓など、自分の家族ではないお墓をお参りする時には、墓前の策に「名刺入れ」があった場合に、お墓参りをした人物(つまり自分)の名刺を入れるのが一般的です。

こうすることで、家族はお墓参りに来てくださった方々を把握することができ、後日お礼の気持ちを伝えることが出来ます。

注意をしたいお供え物やお花

個人墓地でも近年は同じことが言えますが、特に沖縄の霊園でのお墓参りでは、お供え物やお花には、充分に注意をしてください。

民間霊園を筆頭に多くのお墓が並ぶ沖縄の霊園では、施設管理者の管理も個人の区画(お墓スペース)までは、日々の管理は行き届きません

【 沖縄の霊園でのお墓参り:お供え物やお花 】

☆ そのために、お供え物はお墓参りを終えたら必ず持ち帰るのが、現代のマナーです。

・ また、沖縄のように頻繁にお墓参りをしない風習を持つ沖縄では、霊園のお墓参りであっても、一定日数が経った頃に枯れた花を引き取りに行ければ、安心です。(その日に持ち帰る家庭も増えました。)

お花は現代では「故人が喜ぶお花であれば問題ない」と言う声も増えましたが、後々片付けをすること、虫が寄る可能性まで配慮すると、棘のあるものや、香りの強いもの、虫が寄り付きやすい草花は避けることをおすすめします。

そうなるとやはり、一般的な仏花だと安心です。沖縄の霊園ではお墓参り前に施設で購入できる施設もあります。

 
 

本州では江戸時代から寺院墓地によるお墓の管理が一般的でしたが、沖縄ではずっと個人墓地でしたよね。ですから、沖縄の方々は霊園でのマナーや言い伝えは、あまり知られていないかもしれません♪

お墓の前を素通りすることも、本堂へご挨拶へ行くことも、個人墓地が一般的だった沖縄では御願(ウグァン)が中心ですので、マナーとして統一されてはいないからです。

ちなみに霊廟や納骨堂での定期的な合同供養ですが、最近ではインターネットを活用して、動画をアップし、ネット上で参加するサービスも見られるようになりました。

沖縄では霊園の歴史は短く、お墓参りには頻繁に行かない御願文化が浸透していますが、本州ではいつでも気軽にお墓参りに行くことができますよね。

小さなお墓スペースと言うこともあり、お墓参りの時期を分散する家庭も増えていますので、お参り日を少しずらしてお参りをするのも、良いのかもしれません。

【 「タナバタ」に纏わる記事 】

・ タナバタ、沖縄のお墓参り☆お盆の案内、5つの流れ①
・ タナバタ、沖縄のお墓参り☆お盆の案内、5つの流れ②
・ 沖縄のタナバタやユンヂチに見る、「日無し」信仰
・ 沖縄に増えた霊園のお墓参り☆個人墓地と違う5つの作法
・ お墓掃除のポイント☆ピッカピカにする5つの手順

まとめ

霊園が増えた、沖縄のお墓参りの注意点

・家長と数人が代表してお参りをする方法
・家族単位で日にちをずらしお参りをする方法
・霊廟などでは、予約や確認をする家もある
・備品を備えている霊園も増えた
・本堂や施設管理者へ挨拶をする
・お墓の前を通る時には「覗かない」
・お供え物は鳥や動物が寄らないよう、持ち帰る
・お花はその日、もしくは数日後に片づける
・お花は棘や虫の寄り付かない花、仏花が好ましい