未分類

「風呂敷包み」の力とは☆お供え物の重箱は包んで運ぶ

「風呂敷包み」の力とは☆お供え物の重箱は包んで運ぶ

風呂敷包みを持つ人々を見掛けることも、那覇市などの都心部はもちろん、地方でもすっかり少なくなりましたよね。

けれども本来は、清明祭(シーミー)やお彼岸などのウサギムン(お供え物)・御願行事でのウサギムン(お供え物)は、風呂敷でお包みして、お墓や御嶽へ訪れるのが良い、とされています。

あらゆる場面での屋外での拝みでは、ウサギムン(お供え物)や呪具を持ち歩く時には、「風呂敷に包んで」持ち歩くことは、ひとつの習わしでもあるんです。

そこで今日は、ウサギムン(お供え物)をなぜ、風呂敷で包む必要があるのか…、その意味合いをお伝えします。

「風呂敷包み」の力とは☆
お供え物の重箱は包んで運ぶ

風呂敷で包んで持ち歩く理由

沖縄の御願では、御嶽やお墓でも重箱料理の「御三味(ウサンミ)」や、そうでなくても果物の盛り合わせやお菓子の盛り合わせ…、多くのお供え物を持ち歩くことがありますよね。

今では便利なレジバッグや、長持ちする保存バッグなどもあり、実際にお墓参りや御嶽への御願では、このようなバックで持ち歩く姿も見掛けます。

ですから、「絶対に風呂敷包みじゃないとダメ!」と言う訳ではありませんが…、昔ながらの習わしでは、「風呂敷包み」をおすすめします。

【 風呂敷で包む意味合いとは 】

① 風呂敷包みで大切なポイントは、風呂敷の「結び目」♪

・ この結び目が、美味しい御馳走である御三味(ウサンミ)を、チガリムン(餓鬼)から守ってくれます。

② 神様への御供物を風呂敷で「包む」=神様のみこころ(御神意)を包む…、に繋がります。

沖縄の御願では、折り目、結び目、包み、に大切な意味合いを持たせることが多いです。風呂敷は包んでしかも結ぶもの…、神様へのお供え物を持ち歩くには、最適なアイテムとなります。

沖縄の御願に見られる「結び目」

「包む」行為は全国的にも多く見受けられますよね。特にお布施やお香典、祝儀などは、現在では封筒を用いることが多いものの、のし袋で包んでお渡しします。

一方、「結び」は沖縄の御願では、祓いの方法として用いられるのが特徴です。

【 沖縄の御願でみる、「結び」 】

① シマクサラシ … 旧暦二月に集落単位で行われる、沖縄の悪疫・悪霊祓いの儀礼が「シマクサラシ」です。

→ ここでは「ヒジャイナー(左ない)」の縄を編み、集落の境界にはって結び、結界を作ります。

② サンやゲーン … 前述した「シマクサラシ」や、同じく悪霊祓いの「シバサシ」でも用いる、沖縄の代表的な呪具です。

→ これらも、ススキの輪を作ってくぐらせ、「結んで」作ります。ススキの香りや姿かたちも悪霊祓いの効果がありますが、「結び」が大切です。

特にサンは、マース(塩)袋と並んで、沖縄の人々に気軽に多く用いられる魔除けの呪具で、日々の旦那様のお弁当に添えていたり、怪しい声で猫が鳴けば、玄関にサンを差していたりもします。

風呂敷は「清めてから」結ぶ

このように風呂敷には「結び目」が出来るから、結界が出来るとするため、その前にお供え物を祓ってから包むと、より効果的です。

…ただこれは、地域や人によって大きく見解が違います。

【 風呂敷に包む前の「祓い」 】

① 塩を掛ける … 塩はその場所を清める効果があります。

② 風呂敷で風を起こし、お供え物に風を当てる … 両手で風呂敷を持って軽く仰ぎ、風が当たるようにする「風の祓い」です。

③ サンをお供え物の上に置く

…などなどの方法があります。手軽ですし包みながら出来るので、②の「風の祓い」を行う方が多いでしょうか、サンを添える方も多いです。

「結びは複雑な方が良い」とする方もいます。ですからひとつだけの結びよりも、四方から結ぶ方が良いのかもしれません。

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の屋外の御願で持ち歩く時、風呂敷に包むことで、厄払いをしてくれる…、との言い伝えをお伝えしました。

もともと、「結び目」は古代から神様の宿る場所です。「縁結び」なんで言葉もありますよね。

調べてみると全国的にも、造化の三神「高御産巣日神(たかみむすび)」の「産霊(産巣日=むすひ)」の言葉の語呂合わせ(すむひ=結び)として、縁起の良いものとされてきたようです。

それに、一度使ってみると、風呂敷は変幻自在で案外使い勝手が良い♪と言う利便性もあるので、ぜひ、持っていて気持ちの良くなる風呂敷を一枚選び、ウサギムン(お供え物)を包んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

お供え物を風呂敷で包む理由とは

・お供え物は風呂敷に包んで持ち歩く
・風呂敷は結び目が厄払いになる
・「包む」行為も縁起が良い
・沖縄の呪具にも「結び」が用いられる
・「結び」の前にお供え物を清める
・結びは四方から(二回)結ぶ
・全国的にも結びは縁起が良い