【沖縄の年中行事カレンダー】旧暦八月、悪霊祓いの拝み
沖縄の年中行事は、昔ながらの興味深いものが多いですよね。特に旧暦では夏に当たる八月の沖縄の年中行事は、悪霊祓いの儀礼が多く、興味を持つ方は多いです。
本州と同じように夏時期には、「霊があちこちにやって来る…」と考えられてきたことが分かります。
昔から続く悪霊祓いの儀礼であれば、今後も何事もないよう、現代でも行っておきたいですよね。
そこで今日は、昔から行われてきた沖縄の年中行事、旧暦八月の拝みをカレンダーとともにお伝えします。
【沖縄の年中行事カレンダー】
旧暦八月、悪霊祓いの拝み
旧暦八月、沖縄の年中行事
旧暦八月は新暦2018年度では9月10日~10月8日です。
毎月行うヒヌカンへの一日・十五日の拝み(チィタチ・ジュウグニチの拝み)は、2018年新暦では、9月10日・9月24日にあたります。
では、この時期に行う沖縄の年中行事はコチラです。
【 沖縄の年中行事カレンダー:旧暦八月! 】
①旧暦8月1日(2018年9月10日) … チィタチの拝み(毎月ヒヌカンへ行う拝みです。)
②旧暦8月8日(2018年9月17日) … トーカチユーエー。
本州の「米寿」、八十八歳の長寿は「トーカチユーエー(斗掻祝)」で祝います。
③旧暦8月8日~11日(2018年9月17日~20日) … ヨーカビー。
火の玉が上がっている家を高台から見渡し、「爆竹」で追い払う集落行事です。
④旧暦8月9日~11日(2018年9月18日~20日) … シバサシ。
物忌み行事のひとつで、家屋や小屋など、建物の四隅に、魔除けとされる「シバ」を差し、魔ものを追い祓います。
⑤旧暦8月9日~11日(2018年9月18日~20日) … 八月カシチー。
④のシバサシと共に行う地域も多い、お米の豊穣祭なのですが、現代では農耕も衰退し、門中や家族の健康、繁栄祈願へと変わりました。
⑥旧暦8月15日(2018年9月24日) … ジュウグニチの拝み(毎月ヒヌカンへ捧げる拝みです。)
⑦旧暦8月15日(2018年9月24日) … ジューグヤ。
本州と同じく月を愛でる行事ですが、沖縄では子どもや家族の健康祈願の意味合いがあり、お供え物も違います。
⑧新暦2018年9月20日~26日 … 秋のお彼岸。
沖縄ではお墓参りをする地域は少ないですが、お供え物をして拝むのが習わしです。
…以上です。沖縄の年中行事はほとんどない月もあるのですが、旧暦七月・八月の夏時期は、旧盆に続いて数多くの御願があります。
沖縄の秋のお彼岸で行う、屋敷の御願
沖縄の年中行事でも、細かな習わしは地域によって大きく異なるのですが、沖縄では年に三回~四回、屋敷(家)を守る神様へ拝みを捧げます。
一回目はお正月後、二回目が春のお彼岸の入り後、三回目が秋のお彼岸の入り後、…最後が年末です。(お正月・年末は旧暦に倣います。)
【 沖縄の年中行事、お彼岸に行う屋敷の御願 】
☆ 沖縄の屋敷には昔から、祖霊を含む6柱の神様がおわしますが、普段はヒヌカンが「ウトゥーシドゥクル(お通し処)」になっているため、ヒヌカンへ拝めば全ての神様へ通じるシステムです。
・ けれども年に四回は、それぞれの神様を拝みに回ります。それが「屋敷の御願」です。
ただ、お彼岸に屋敷の御願を行う地域のパターンはさまざまで、秋のお彼岸のみ行う地域もあります。(詳しくば別記事「【沖縄の御願】屋敷の神様って?」を参照ください。)
生年祝いとは違う、米寿の「トーカチユーエー」
本州では米寿はひとつの年祝いですが、沖縄では数え年にして十二年ごとに生年祝いを行う習わしです。
【 沖縄の生年祝い(トゥシビー) 】
☆ 沖縄の生年祝いは、最初は十三歳、それから十二年ごとになるので、二十五歳・三十七歳・六十一歳・七十三歳・八十五歳・九十七歳…となり、本州のものとは合いません。
・ …ですからトーカチユーエーは、実は年祝いではありません。それでも「米」のおめでたい年齢!竹三本や枡いっぱいの花米などを飾り、お祝いをします。
また、六十一歳前の生年祝いは「厄除け」の意味合いが強くお祝いではありません。六十一歳を超えると「長く生きた」と言うことでお祝いへと変化します。
九十七歳の生年祝いは「カジマヤーユーエー」、旧暦9月7日に行いますが、全国的にも「風車の飾り」と共に有名ですよね。
ヨーカビー・シバサシ・八月カシチー
旧暦8月8日からどんどん続く沖縄の年中行事が、ヨーカビー・シバサシ・八月カシチーです。…とは言っても、ヨーカビーは「火の玉が上がらない限り」家庭で大きな拝みを行うことはない集落行事で、今ではすっかり少なくなりました。
【 沖縄の年中行事、シバサシと八月カシチー 】
☆ さらにシバサシと八月カシチーは一緒に行う家が多いです。
・ 家屋の四隅に魔除けとなるシバを差し、ヒヌカンと御先祖様へ小豆を入れたおこわを炊いて、お供えをします。
…詳しいお供え物や拝み方は後ほどお伝えしますが…、今では八月カシチーも家庭では家族の安全や健康、繁栄を願う行事になりました。
炊飯器を使えば、八月カシチーに供える赤カシチー(小豆おこわ)も簡単なので、ぜひ、お供えをしてみてはいかがでしょうか。
沖縄の十五夜と言えば、フチャギ!
本州の十五夜は新暦9月15日に行いますが、お盆と同じく、沖縄では本来の旧暦にならって行われます。ですから旧暦8月15日に当たる日に行われ、2018年では9月24日が沖縄の十五夜です。
【 沖縄の年中行事、十五夜 】
☆ 本州のは白いお団子を三角に盛りつけて、お月さまを眺めますが、沖縄ではお餅に小豆をまぶした「フチャギ」を供えます。
・ フチャギは簡単なので、手作りの家庭が多いのではないでしょうか。もち粉や団子粉で餅を作り、茹でた小豆をまぶせば完成です。
…こちらも詳しくは、別記事でお伝えしますね。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄で行う旧暦八月の年中行事をお伝えしました。沖縄では年中行事が続くと、大人としては「大変!」な気持ちも出てきますよね。
でも、子どもとしては、親と一緒に手作りをしたり(フチャギなど)、パンパンパン!なんて爆竹を鳴らしたり…、一緒に過ごしていると、楽しそうな様子です。
お彼岸では屋敷の御願と同じく、春のお彼岸は家で拝み、秋のお彼岸ではお墓参りをする…、などそれぞれの地域での習わしがあります。ぜひ、その地域に倣った拝み方で、過ごされてみてください。
まとめ
旧暦八月に行う、沖縄の年中行事とは
・旧暦8月1日(2018年9月10日)、チィタチの拝み
・旧暦8月8日(2018年9月17日)、トーカチユーエー
・旧暦8月8日~11日(2018年9月17日~20日)、ヨーカビー
・旧暦8月9日~11日(2018年9月18日~20日)、シバサシ
・旧暦8月9日~11日(2018年9月18日~20日)、八月カシチー
・旧暦8月15日(2018年9月24日)、ジュウグニチの拝み
・旧暦8月15日(2018年9月24日)、ジューグヤ
・新暦2018年9月20日~26日、秋のお彼岸