沖縄の観音堂巡りとは☆「琉球七観音」と子育て祈願

沖縄の観音堂巡りとは☆「琉球七観音」と子育て祈願

沖縄では観音堂巡りは、実はあまり馴染み深くはありませんよね。けれども沖縄では、龍神と対をなすように、観音様を信仰する方々が多いです。

龍神様が起業や物事を推し進める、社会的な力を発揮する力があるのに対し、観音様はより慈悲深く人々を癒し、病気や子どもにまつわる祈願、日々の幸せ、家族の平和を導く存在として、親しまれてきました。

特に九月ではありますが、正五九月(一・五・九月)には、沖縄の観音堂を巡拝する姿も見受けます。

そこで今日は、沖縄の観音堂巡り「琉球七観音」のうがんじゅ(拝所)についてお伝えします。

巡拝の順番ではなく、私が親しみを持っている沖縄の観音堂からお伝えしています(*^_^*)。

沖縄の観音堂巡りとは☆
「琉球七観音」と子育て祈願

「琉球七観音」とは

観音様は主に子どもの守り神様、家族の平和を導く存在として、深く進攻されてきました。

子どもが産まれれば報告し、時には養い親(ヤシネーウヤ)になり、商売の神様「関帝」と比べられるように、沖縄の家庭では床の間にも祀られてきた存在です。

ですから「琉球七観音」と言わず、各地で地元に根付いた沖縄の観音堂があります。その中でいつしか、沖縄内外の人々に「観音堂巡りの聖地」として広まったのが「琉球七観音」です。

【 沖縄の観音堂巡り「琉球七観音」 】

① 首里観音堂(臨済宗慈眼院)
② 奥武観音堂
③ 金武観音堂
④ 嘉手刈観音堂
⑤ 喜名観音堂
⑥ 久志観音堂
⑦ 屋部寺(凌雲院)

沖縄で観音堂巡りをする方々の間では、旧暦九月頃に行う慣習がありますが、正五九月(一・五・九月)は「忌み月」とされ、この月に拝みをすることで、厄災から逃れるとされてきました。

以前の記事でお伝えしたように、沖縄の観音様とのご縁が深い日は十八日ですので、本来は旧暦十ハ日に拝むのが理想的です。

ただし、一日で沖縄全島、七つの観音堂を巡拝するとなれば大変ですし、それぞれの観音様へも心を込めた拝みが難しいですよね。

【 沖縄の観音堂はたくさん! 】

☆ また、琉球七観音だけが沖縄の観音堂ではありません♪

・ ですから、「自分に合った観音様」との出会いを期待する気持ちで、ゆっくりと心を込めて、少しずつ巡ることをおすすめします。

①の首里観音堂(慈眼院)に関しては別記事の十二支巡りで詳しく説明しています。「首里十二支巡りと干支の開運力⑤☆慈眼院その1、子年」も参考にしてください(*^_^*)

今も島の人々と共にある、奥武観音堂

もともとは唐の時代に中国から漂流して流れ着いた船の船員が、この奥武島の人々の手厚い介抱に感謝して、観音様を贈ったことが始まりです。

その後、奥武島の守り神様として、毎年拝まれてきました。今でもハーリー大会(昔から残る沖縄のサバニと呼ばれる船のレースです。)では、その前後に祈願を行います。

【 沖縄の観音堂、奥武観音堂 】

☆ 沖縄の観音堂巡りでは、ここの観音様は「母観音」として親しまれてきました。

・ 首里観音堂とは違い、多くの沖縄の観音堂には管理者が常駐していることはありません

(住所)南城市玉城奥武108
(TEL) 098-948-7190(奥武公民館)

地元に親しまれる、久志観音堂

南部から北部へと飛びますが、母観音と親しまれる奥武観音と対になり、「父観音」と呼ばれる沖縄の観音堂が、名護市久志にあります、そのまま「久志観音堂」です。

つい近代まで、琉球王朝に仕えて来た血筋の神女「ノロ」が、旧暦九月十八日に「ウムイ(沖縄の言葉で想い)」と呼ばれる祝詞を唱え、祭祀をしてきました。

【 沖縄の観音堂、久志観音堂 】

☆ 1980年代頃でしょうか(定かではありません。)、ノロが途絶えたようですが、今でも赤ちゃんが産まれると、久志観音堂へ報告をします。

(住所) 名護市久志

旧暦九月頃に行われる「ティラヌムメー(寺参り)」のうがんじゅ(拝所)としても知られていますよね。

ですから「お寺(ティラ)の(ヌ)おじぃちゃん(タンメー)」と言う意味合いで、「ティラヌタンメー」の愛称もあるのが、この久志観音堂です。

健康に関する祈願事は、屋部寺

「知る人ぞ知る」などの言葉で紹介されることが多い、無人の沖縄の観音堂が屋部寺(凌雲院)です。

昔から「病気を癒す」として信仰され、一説では「ヤブ医者」の由来にもなったと言われます。(本来は名医なのですが、医師免許を持っていなかったとか…。)

人々の健康を見守り、病にまつわる祈願事を聞き入れてくださる「薬師如来」様を中心にして、左右に多くの如来様や菩薩様が並びます。

【 沖縄の観音堂、屋部寺(凌雲院) 】

☆ 釈迦如来様・地蔵菩薩様・延命観音様、中央に「薬師如来」様、聖観音菩薩様、不動明王様、子安地蔵菩薩様、と並んでいます。

(住所)名護市屋部 … 名護市立屋部小学校のすぐ近くです。

特にユタさんなど、本格的に祈願をする方々が訪れる場所として有名です。

家族の病気にまつわる祈願事があれば、半紙(白紙)に三十円(クバンチン=お賽銭)を包んで賽銭箱に丁寧に入れ、手を合わせて祈願の目的である当人(病気であれば病気の方)人の住所と干支、祈願事をお伝えください(*^_^*)

☆今回お伝えした三つの沖縄の観音堂の他、続く「琉球七観音」については、ゆっくりと一堂一堂、詳しくお伝えします。楽しみに、お待ちください(*^_^*)

 

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の観音堂について、おすすめの観音堂をいくつかお伝えしました。

今回お伝えした沖縄の奥武観音堂、久志観音堂、屋部観音堂は全て、無人の観音堂で、素朴ながらも慈悲深い力を感じるうがんじゅ(拝所)です。

琉球七観音を毎年巡拝する方々も見受けますが、家庭やご自身の祈願事で訪れるのであれば、一度巡拝して、相性の良い観音様と出会うことができれば良いのかもしれません。

相性の良い観音様と、深く長いお付き合いができますように、ぜひ一度、訪ねてみてはいかがでしょうか。

まとめ

琉球七観音に数えられる、沖縄の観音堂

・七観音に限らず、多くの観音堂がある
・観音堂と言えば首里観音堂(那覇市首里)
・南部の「母観音」、奥武観音堂(南城市奥武島)
・北部の「父観音」、久志観音堂(名護市久志)
・病気を癒す屋部寺(名護市屋部)