トゥーティークー(土帝君)☆土地神様への感謝の拝み
「トゥーティークー」は「土帝君」と書き、沖縄のアチコチで見受けられる、いわゆる「土地神様」ですよね。
その昔には、その土地以外から訪れて野山で遊ぶ時には、まずトゥーティークーを訪れて自己紹介をして拝み、許しを得てから遊ぶ習わしもありました。
旧暦二月二日は、そんな土地神様「トゥーティークー(土帝君)」へ地域の繁栄を祈願する、拝みの日です。旧暦二月二日は新暦2019年では3月8日(金)、もうすぐですよね!
そこで今日は、沖縄の旧暦二月二日に行われる「トゥーティークー(土帝君)」の拝みについてお伝えします。
トゥーティークー(土帝君)☆
土地神様への感謝の拝み
トゥーティークーとは
冒頭でお伝えしたように、沖縄でトゥーティークー(土帝君)とは、その土地土地を守る土地神様です。もともとは農耕の神様として親しまれ、その昔には甘藷(サツマイモ)の豊作を祈願してきました。
そのために一部地域では、「豊作の神様」の意味合いとして、「チュクイムジュクイヌカミ」と呼ばれます。
【 トゥーティークーは集落の神様 】
☆ 戦前は豊作や村の繁栄を祈願する意味合いが強かったのですが、戦後以降は、集落の人々の家庭円満や家族の安全祈願が多いです。
・ また、トゥーティークー(土帝君)の拝みの日に、その年に産まれた赤ちゃんを報告し、子どもが安全に成長しますようにと祈願する地域も多く見られます。
トゥーティークーは沖縄の御嶽の近くに見ることも多く、トゥーティークーの他に、ビジュン(ビジュル・ビンヅル=霊石)も多いです。(トゥーティークー自体にも、ビジュル(霊石)が祀られることは多いです。
沖縄県各地のトゥーティークー
沖縄の各地に見られるトゥーティークーですが、特に沖縄県北部、本部町にあります瀬底のトゥーティークーがあります。
【 各地に見られるトゥーティークー 】
① 南城市佐敷小谷集落のトゥーティークー …
・ 以前は農耕の神様として信仰されてきましたが、戦後以降は子育て祈願としての意味合いが強いです。そのため、現代では旧暦九月の子育て祈願が見られます。
② うるま市具志川喜屋武(キャン・チャン)のトゥーティークー …
・ ビジュル(霊石)とフトキ像、絵が御神体となっている喜屋武のトゥーティークーは喜屋武マーブ公園近くにあり、ハチウクシー(初起こし)やチクザキ、カミウガミなどが今でも行われています。
③ 宜野湾市のトゥーティークー …
・ 大謝名集落のトゥーティークー
現在でも地元の保存会の皆さまを中心にして、旧暦二月二日にお供え物をして拝まれています。
・ 字宜野湾集落のトゥーティークー
一度なくした二体の男女の御神体を改めて制作し祀り、現在でも旧暦二月二日には、地元公民館からではあるものの、地元郷友会や自治会の方々がお供え物をして拝みます。
…などなど、他にもたくさんのトゥーティークーがあり、その数は50祠前後です。
農耕の神様でしたので、旧暦二月二日のトゥーティークー拝みは「クシュクイ(腰憩い)」と呼ばれ、田植え後に労を労って盛大に行う宴会でもありました。
トゥーティークーの拝み方
その昔には前項でお伝えしたように、大きな宴でもあったために、牛や豚(豚のお頭)、鶏などの御馳走を並べて拝みましたが、現代のお供え物は簡素です。
それでも地域行事として残る地域では、豚肉料理やかまぼこ、天ぷらなどの御馳走を詰めた重箱料理が供えられますが、個人で拝む場合にはそれほどではありません。
【 トゥーティークーの拝み方 】
《 ウサギムン(お供え物) 》
・ お酒 … 徳利と盃に一杯
・ 果物の盛り合わせ
・ ムィグァーシ(お菓子)の盛り合わせ
《 拝み方 》
① ヒラウコー(沖縄線香)をタヒラ半(二枚半=日本線香12本と3本)を拝してください。
② 自己紹介 … 自分の住所と氏名、干支を伝えます。
「ウートゥートゥー 私は○○(住所)から来ました〇〇(氏名)○○(干支)です。」
③ 今日来た目的を伝えてください。
「本日は旧暦二月二日、トゥーティークーの日のため、」
④ 供えたウサギムン(お供え物)をお伝えします。
「御馳走のお酒と果物、ムィグァーシ(お菓子)をお供えいたしましたので、どうぞお受け取りください。」
⑤ 祈願事を唱えて拝みます。
「おかげさまで家族みな平和に健康に暮らすことができております、ありがとうございます。
これからも家族みな、平和に健康に暮らすことができますように、ウートゥートゥー」
…言葉は一例ですので、自分なりの言葉で大丈夫です。例文でも現代語でお伝えしているように、個人の拝みであれば、日ごろの言葉で伝えて問題ありません。
いかがでしたでしょうか、今日は旧暦二月全般…、多くは旧暦二月二日に行われることの多い、トゥーティークーの拝み方をお伝えしました。
本文でお伝えしているように、多くは集落行事ですが、最近では豊作に掛けて商売繁盛として、個人的に拝みに訪れる方々も多いです。
沖縄で最も有名トゥーティークー、北部本部町、瀬底集落のトゥーティークーには、集落外、他の地域からも多くの人々が祈願に訪れます。
瀬底大橋を渡り、瀬底公民館の近く、農協売店にすぐ裏ですので、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
旧暦二月二日、トゥーティークーの拝み
・トゥーティークーは土地神様
・農耕、豊作の神様でもある
・家庭円満や繁栄も祈願する
・赤ちゃんを報告し成長祈願をする
・今でも集落行事を行う地域がある
・旧暦二月二日に拝む地域が多い
・今は果物とお菓子とお酒を供える
・他地域からも訪れる瀬底のトゥーティークー