沖縄にはお正月がいくつもある?新暦の年末は断捨離
沖縄でも新暦のお正月をお祝いしますが、南部や北部の地方では、今でも新暦のお正月よりも、旧正月(旧暦のお正月)を大切にしていますよね。
旧暦は毎年違いますが2019年は、2月5日です。旧正月を行っている沖縄の地域では、新暦に飾ったお飾りを旧正月まで飾っている家庭も多く見掛けます。
沖縄ではこの旧正月こそ、年末年始とさまざまな拝み事がある忙しい時期ですが、新暦のお正月や「トゥンジー(冬至)」も正月、「小正月」まであります。
そこで今日は、沖縄の数々の「お正月」と、新暦正月のおすすめの過ごし方をお伝えします。
沖縄には正月がいくつもある?
新暦の正月は断捨離
沖縄の数々の「お正月」
冒頭でお伝えしたように、沖縄にはお正月が一年で何度もあります。沖縄でも「旧正月だけじゃないの?」と疑問に思う方もいますよね。けれども、「小正月」と呼ばれる新年の節目もいくつかあります。
【 御願行事に見られる、沖縄の「お正月」 】
① トゥンジー(冬至) …
他記事でもお伝えしたように、太陽の日照時間が最も短くなるトゥンジー(冬至)は、翌朝から太陽が「生まれ変わる」とし、新しい年の節目として「小正月」と言われ祝われてきました。
② 新暦のお正月 …
全国的な新暦で見るお正月です。ただこの日は特別な御願行事はありません。そのため、全国的な風習に倣ってお祝いをする家庭が多いです。
③ 沖縄の旧正月 …
沖縄の御願は旧暦に倣っています。旧暦は月の満ち欠けを基にした暦で、新暦とは毎年少しずつずれているので、新暦の正月とは別に、旧正月もお祝いをしてきました。
④ 七日正月 …
沖縄本島では少ない風習ですが、八重山諸島では旧暦1月7日をグソー(後生=あの世)のお正月としてきました。ジューシーをお供えして拝みます。
⑤ 小正月 …
沖縄では正月の節目として、旧暦1月14日を「小正月(ショーグァッチグァー)としました。
⑤ 二十日正月 …
いよいよ沖縄のお正月、最後の節目です。「ハチカショーグァッチ」と呼び、この日を境に沖縄では、正月飾りを片付けます。
…このように見て行くと、沖縄では正月飾りを飾っている時期が長いです。新暦から飾り始めると、2018年~2019年の年越しで考えてみると…。
2018年12月27日前後から正月、旧正月を超えて、二十日正月の2019年2月24日まで飾ることになります(*^_^*)
新暦の年末は、断捨離を中心に
沖縄では旧正月前、旧暦12月24日(地域や家庭によっても違いがありますが)にヒヌカンをお見送りする拝み事があり、その前には屋敷(家)やヒヌカン(火の神)を掃除して、御願を行うのが習わしです。
そのため沖縄の旧正月前こそ、気をピリッと清浄に整えなければなりません。
沖縄でも全国の正月に倣い、煤払いから始めますが、私は新暦のお正月までは「断捨離」、年明けからは掃除の流れがベストです。
【 新正月は神社や寺院、旧正月は御願 】
★ 全国的な習わしに従う新正月は、年末に過去3年以上使用していないものをまとめて、塩を振り掛け、ヌジファ(抜魂)を行います。
・ 特に、人の形をしたぬいぐるみや人形は、目隠しをしたり、人の映っている写真類は、白い紙で包んでから塩を掛けて処分してください。
しっかりとヌジファをしたい方は、外でヒラウコータヒラ(二枚)に火を灯し、ヌジファしたい物の頭から足元に掛けて、左回り(時計と反対回り)にくるくると螺旋状に囲むように回して煙を掛けます。
「東西南北、四方八方におわす神々さま、どうぞそのお力で、ヌジファをさせてください。」と伝えながら行えば、現代語でも問題はありません。
【 年末の掃除で断捨離をすすめる理由 】
★ 使われていない物は3年以上放置すると、ヤナムンなど(迷える霊や悪い念を持った霊)が入りやすいとされています。
・ なかなか捨てるのは難しいですが、特に人や生き物の形をしたものは、入りやすいとされていますので、年末に家の荷物をおさらいして、お焚き上げをすると安心です。
人形などのお焚き上げは、寺院や神社でも受け付けてくれることがあるので、寺院や神社のお焚き上げをお願いするのもおすすめします。
感謝のお参りをして、年末年始は自宅で過ごす
そして12月30日頃までには、地元の氏神様へ感謝のお参りに行くことをおすすめします。寺院や神社によっては、この時期からお焚き上げを受け付けてくださる場所もあるので、確認できたら一緒に持って行くのも良いです。
【 年末に感謝参り 】
★ 沖縄の御願では「祈願→お礼」がセットになっていますので、寺院や神社でも沖縄の御願方式で、年末に感謝参りをしますが、私の場合の参り方は下記にようになります。
① 新暦の年末 → 氏神様、昨年度お世話になった寺院や神社へ感謝参りです。
② 旧暦の年末 → 氏神様、昨年度お世話になった御嶽の神様への感謝参りをします。
…そして、感謝参りを終えた年末12月31日には、断捨離をした家で年神様を迎え入れるよう、家で過ごすのが良しとされてきました。
寺院や神社の場合、住職様方が沖縄の御願を受け入れてくださっている寺院や神社であれば、ビンシーを携えるなど、沖縄の御願方式で拝みますが、ご住職様によっては、本州の習わしに従った参拝をしてきました。
旧暦の年末には、御願行事の日付に従い、屋敷(家)の神々やヒヌカン(火の神)への感謝の拝みも行います。
いかがでしたでしょうか、今日は明日の新暦12月31日の大晦日に向けて、沖縄の数々のお正月とともに、新正月・旧正月、それぞれの過ごし方をお伝えしました。
新正月には年末の感謝参りと共に、家族や友人と楽しみながら初詣に行きますし、「神様と繋がりやすい」ひとつの方法として、気楽に参考にしてください。
ちなみに神社や寺院を参拝する時には、ぜひ金属は避けて訪れることをおすすめします。鳥居をくぐる(境内に入る)前に、付けているアクセサリー類を外してしまっておくと、より感謝の気持ちが伝わります。
まとめ
沖縄の「正月」と新正月の過ごし方・沖縄にはいくつもの正月の節目がある
・長く放置すると物には「ヤナムン」が入りやすい
・新暦年末には断捨離をして、お焚き上げをする
・年末にお世話になった神々へ感謝参りをする
・大晦日は自宅で年神様を迎える
・旧正月にはお世話になった御嶽で感謝参り
・参拝時には金属類は外す