カシチーウイミ、繁栄の感謝祭☆お供え物や拝み方
カシチーウイミ(強飯折目)は、旧暦6月25日と8月10日に行われる、沖縄の旧暦行事です。農作が盛んだった琉球王朝時代には、豊作の感謝祭に当たりますよね。
カシチーの前には稲や麦の豊作祈願や報告祭である「ウマチー」が、二月・三月、五月・六月とありますが、さらにカシチーで感謝の拝みを捧げます。
このようにもともとはウマチーもカシチーも、麦や稲の豊作祈願や感謝祭でしたが、農作が衰退した現代では、家の繁栄や仕事の発展祈願、その祈願事への感謝を捧げる意味合いが強くなりました。
そこで今日は、来る旧暦6月25日(新暦2019年7月27日土曜日)に行う、カシチーウイミ(強飯折目)の旧暦行事、それぞれの家庭でのお供え物や拝み方をお伝えします。
ぜひ、参考にして日々の暮らしに感謝を捧げてみてはいかがでしょうか(*^_^*)
カシチーウイミ、繁栄の感謝祭☆
お供え物や拝み方
「カシチーウイミ」は「強飯折目」
「カシチーウイミ」は漢字で書くと「強飯折目」、もち米で炊いたこわめし(おこわ)を炊いて、稲の収穫への感謝を捧げる旧暦行事です。
稲作が衰退した現代では、稲穂の収穫への感謝祭の意味合いから、冒頭でお伝えしたように、家の繁栄や仕事の発展、日ごろの暮らしへの感謝の意味合いが強くなりました。
【 カシチーウイミ(強飯折目)とは 】
☆ カシチーウイミはウマチー(御祭)が終わった頃の旧暦6月25日、旧暦8月10日に行われる、稲の収穫祭です。
・ 新暦2019年では、六月(ルクグァッチ)カシチーが7月27日(土)、八月(ハチグァッチ)カシチーが9月8日(日)となりますが、八月カシチーは悪霊祓い行事「シバサシ」と共に行うために、この前後も入ります。
収穫したてのお米(もち米)で炊いたこわめし(強飯=おこわ)をお供えする稲の収穫祭で、それぞれの家庭ではヒヌカン(火の神)とお仏壇へ拝んできました。
またカシチーウイミに集落行事を行う慣習は、今も地域によって残っていて、(ウマチーや十五夜に行う地域などで分かれますが)、カシチーウイミに地元の御嶽を前に大綱引き行事も見受けられます。
ヒヌカン、お仏壇へのお供え物
カシチーウイミの日は、それぞれの家庭でヒヌカン(火の神)とお仏壇へそれぞれカシチー(強飯=こわめし=おこわ)をお供えして、家の繁栄や仕事の発展への感謝を捧げてください。
【 カシチーウイミ(強飯折目)、お供え物 】
☆ カシチーウイミのウサギムン(お供え物)で特徴的なのは、六月カシチーでは小豆を入れない「白カシチー」、八月カシチーでは小豆を入れた「赤カシチー」になる点です。
他の拝みと同じように、①ヒヌカンから②お仏壇へとウサギムン(お供え物)を供えてください♪
① ヒヌカン(火の神) … 最初にヒヌカンへ拝みを捧げます。
・ ヒラウコー(平線香=沖縄線香)はタヒラ半(二枚と半分=日本線香12本と3本)
・ ウサケ(お酒)
・ 白カシチー(八月は赤カシチー)
※ 日ごろ供えている、塩・ミジトゥ(水)・チャーギなどの供え葉はそのままです。
② お仏壇 … ヒヌカンへ拝みを捧げた後、お仏壇へ移ります。
・ ヒラウコー(平線香=沖縄線香)はタヒラ(二枚=日本線香12本)
・ 左右対で二杯のウチャトゥ(お茶)
・ 中央に一杯のウサケ(お酒)・ お箸を添えた、白カシチー(赤カシチー)御膳 … お膳にはウサチ(副菜で酢の物などの小皿)、汁物を、白カシチー(赤カシチー)・お箸と共に配膳します。
※ 日ごろから供えている、供え花はそのままです。
「カシチー」の作り方
カシチーは「強飯」、いわゆるもち米で炊いた「おこわ(こわめし)」です。
小豆を入れない白カシチーは六月カシチーくらいしか供えられませんが、小豆を入れて炊いた「赤カシチー」は縁起物の「ハレの料理」として、旧正月などでも見られます。
【 カシチーの作り方 】
※ 六月に供える「白カシチー」は、このレシピから小豆を抜いて作ってください。
☆ 材料 ☆
・ もち米 … 5合
・ 小豆 … 半合
・ 塩
※ 飾り付け … 黒ゴマ・塩
☆ 作り方 ☆
《 一日目 》
① もち米の下準備です。丁寧に洗ったら良く切って、水気を飛ばして大きなボウルに置いておきます。
② 小豆を柔らかくします。最初に小豆を入れた鍋に、たっぷりの水(小豆の4~5倍ほど)を加え、強火で沸騰させてください。
③ 沸騰したお湯を一度捨ててしまいます。(当然ですが小豆は残してくださいね♪)
④ 再びたっぷりの水を小豆が残った鍋に入れ、今度は弱火で小一時間、くつくつと煮ます。
⑤ じっくりと煮て柔らかくなった小豆は、一度湯から取り上げますが、茹で汁を残してください。
⑥ ①のもち米の入ったボウルに⑤の小豆の茹で汁(のみ)を注ぎ、さらに小豆が浸るほどに水を足してください。
この状態で、一晩じっくりと置いて、翌日に炊きます♪
《 二日目 》
⑦ ⑥の茹で汁と水に一晩浸したもち米をザルに空け、しっかりと水気を切りますが、この時も切った汁をボウルに残しておいてください。
⑧ ⑦のもち米に昨晩の⑤の小豆を加え混ぜます。
⑨ ⑧のもち米と小豆を蒸します。蒸し器を通して湯気が上がったら、ぬれた布巾を敷いてください。
⑩ その上に⑧のもち米(八月は小豆入り)をおき、強火で30分弱ほど茹でていきます。
⑪ 30分ほど経った頃に⑦で残した汁を1カップほど振りかけ、さらに10分~15分、蒸し上げます。
⑫ 蒸している間に黒ごまを炒って塩をまぜておいてください。
⑬ 蒸しあがったらしゃもじでサッと切り冷まして、⑫の塩ごまを振り掛け、さらに混ぜ合わせます。
⑭ ご飯茶碗に盛りつけたら、仕上げにさらにごま塩を飾り振れば、完成です♪
…以上が昔ながらのカシチーのレシピですが、小豆ともち米を下準備して炊飯器に入れ、1カップの茹で汁、分量の水をセットしながら一晩置けば、炊飯器でも作ることができますよね。
炊飯器であれば予約機能があるものも多いので、一晩でより手軽に作ることができます。
…このように、今回は旧暦6月25日(7月27日・土)頃、旧暦8月10日(9月8日・日)頃に行われる、昔は稲穂の収穫祭、現代では家の繁栄や仕事の発展への感謝祭となります、カシチーウイミについて、その拝み方やお供え物についてお伝えしました。
沖縄のカシチーがこの御願が一般的ですが、一部南部では「アミシ」と呼ばれ、地元の御嶽(拝所)にウサケ(お酒)と新米のご飯をお供えして拝む地域もあります。
また、中部地域などでも一部違う風習を持つ地域はあり、お仏壇に新米のご飯を供えるだけです。コチラは「新米折目」と書いて「ミーメーウイミ」と呼ばれます。
その他、雨乞い行事を行う集落などさまざまですが、それぞれの家庭で新米やおこわを供え、日ごろの感謝を捧げるのも、良いのかもしれません。
まとめ
カシチーウイミの拝み方
・旧暦6月25日、8月10日前後がカシチーウイミ
・2019年では7月27日(土)、9月8日(日)
・カシチーに綱引きなどを行う集落も残る
・「カシチー」はもち米で炊いた「おこわ」
・六月は白おこわ、八月には赤おこわを供える
・お仏壇には副菜と汁物、お箸も添えて供える
・赤おこわは小豆を入れる
・新米を供えるだけの地域もある(拝所や仏壇)