ヒヌカンウンケーは旧暦1月4日☆ウサギムンと拝み方

ヒヌカンウンケーは旧暦1月4日☆ウサギムンと拝み方

ヒヌカンウンケー(ヒヌカンのお迎え)は旧暦1月4日、旧正月前の年末にウティン(天)へ里帰りをしたヒヌカンガナシー(ヒヌカン様)をお迎えする拝みがありますよね。

日ごろの拝みとは違う旧正月の御願行事なので、ついつい畏まってしまいがちですが、ウサギムン(お供え物)も簡単です。台所を守る(場合が比較的多い)女性が行う家庭も多いのではないでしょうか。

旧暦1月4日は新暦2019年では2月8日の金曜日!

そこで今日は、ヒヌカンと共に暮らす家庭で行う年始の拝み行事、「ヒヌカンウンケー(ヒヌカンのお迎え)」の進め方をお伝えします。

 

ヒヌカンウンケーは旧暦1月4日☆
ウサギムンと拝み方

 

ヒヌカンウンケーの一連の流れ

ヒヌカンウンケーは旧暦の1月4日、旧正月前の年末、旧暦12月24日に行うヒヌカンのお見送り、「ヒヌカンのお見送り」と対になる拝み行事です。

ですので、地域によって年末にヒヌカンがウティン(天)の神様の元へ里帰りをしないこともあり、この場合には旧暦12月24日のヒヌカンのお見送りもありませんし、ヒヌカンウンケーもなくなります

ヒヌカンが里帰りをする家庭での、ヒヌカンウンケーの流れは下記の通りです。(地域によって違いが多々ありますが、最も一般的なものをお伝えします。)

【 ヒヌカンウンケーの流れ 】

① ヒヌカンの用具を清める … ヒヌカンまわりを掃除します。用具は塩水で洗い流して、穢れを拭ってください。

② ヒヌカンへウサギムン(お供え物)を供える … 日ごろのお供え物(塩・水・お酒・供え葉)の他、赤ウブク(赤飯)を三膳供えます。

③ ヒラウコー(沖縄線香)を拝する … 最も多い本数がタヒラ半(二枚半=日本線香12本3本)です。

④ ヒヌカンへ拝みを捧げる … 本日がヒヌカンウンケーの日であることを伝え、福徳と共に戻られ、家族をお見守りくださいますよう、伝えてください。

⑤ (地域によっては)ヒラウコー(沖縄線香)を縦半分に割った「半ヒラ」を五回(地域によっては七回)拝して、「下天の階段」をヒラウコーで作る地域もあります。

…以上です。

最初のヒヌカン用具のお清めでは、旧正月の年末に一度掃除をしているので、必要のない家庭も多いですが、ウコール(香炉)の灰を掃除する方もいますよね。

ウコール(香炉)の灰の掃除の仕方は別記事「ヒヌカンの灰の掃除☆神様に残ってもらう5つの手順」で詳しくお伝えしていますので、こちらも参考にしてください。

 

ヒヌカンウンケーのウサギムン(お供え物)

ウサギムン(お供え物)を供える前のヒヌカン用具のお清めですが、これは行わない家庭も多くあります。

反対に八重山諸島など地域によっては、このお清め自体が、旧正月のヒヌカンへの拝み行事です。ですから、市販の塩を水で溶いた塩水でも問題はないのですが、海の潮水だと、より好ましいかもしれません。

【 ヒヌカンウンケーのウサギムン 】

① 基本のウサギムン(お供え物) … 日ごろ供えるミジトゥ(水)・お酒・塩・供え葉の他、赤ウブク(赤飯)を三膳供えてください。

・ 赤ウブクは赤いご飯であれば、何でも構いません。多くは小豆で炊いた赤飯ですが、その他にも古米で炊いて赤くしたご飯、白ご飯を食紅で赤くする家庭もあります。

…ヒヌカンと暮らす家庭での日ごろの拝み、「チィタチ・ジュウグニチの拝み」とあまり変わらないですよね。そんなに大変なことはありません(*^_^*)

 

ヒヌカンウンケーの拝みの言葉

気にする方も多いのですが、家庭での拝み行事では特別なグイス(祝詞)を唱えなくても大丈夫です。内容を同じくすれば、現代語でも日ごろの言葉で問題はありません。

【 ヒヌカンウンケーの拝みの言葉 】

★ 「ウートゥートゥー、ヒヌカンガナシー(あな尊き ヒヌカンの神様)。

本日、ウティン(天)へお戻りになったヒヌカンガナシーをお迎えする日となりました。

どうぞ福徳と共にお戻りください

そして家族が皆、穏やかに健やかに安全に暮らすことができますよう、どうぞお見守りください

ヒヌカンガナシーを通しまして、ここにお祈りいたします。」

…このようにお伝えすれば、ヒヌカン様はウコール(香炉)の灰にお戻りになり、ヒヌカンウンケーは終わりです。

…ただし前述したように、地域によってはヒヌカン様が下りやすいよう、ヒラウコー(沖縄線香)で「下天の階段」を作る家庭もあります。

 

ヒヌカンウンケーで見られる、下天の階段

ヒヌカンウンケーで見られる「下天の階段」は、ヒラウコー(沖縄線香)を順番に灯して横一列に拝することで、ヒラウコーの長さが変わり現れる「ヒラウコーの階段」です。

【 ヒヌカンウンケーで見られる「下天の階段」 】

★ ヒヌカンのお見送り「昇天の拝み」と対をなした儀礼です。そのため、お見送りの階段と、今回のヒヌカンウンケーの階段では反対になります。

・ 多くの地域の慣習では、「昇天の拝み」では左から順番に右へ…、今回のヒヌカンウンケーでは反対の右から左へ…、拝することが多いです。

ヒラウコー(沖縄線香)を縦半分に割って、「三本ウコー(日本線香3本分)」にします。「三本ウコー×七回」を拝する地域もありますが、より多いのは「三本ウコー×五回」です。

 
 

いかがでしたでしょうか、今日は旧正月明けのヒヌカンウンケー「下天の拝み」の進め方をお伝えしました。

最後にお伝えした「下天の階段」は、一部地域でのみ行われている方法です。

ただ、そのなかでも一度タヒラ半(二枚半)のヒラウコー(沖縄線香)を拝して、拝んだ後に階段を作る地域の他、最初から階段を作る地域もあります。

ウサギムン(お供え物)も赤ウブク(赤ご飯)のみで、準備も簡単ですので、ぜひヒヌカンウンケーの拝みを行い、安心の一年を過ごしてみてはいかがでしょうか♪

 

まとめ

ヒヌカンウンケーの進め方

・旧暦1月4日、2019年2月8日が拝み日
・ウサギムンは赤ウブクを三膳
・ヒラウコーは基本はタヒラ半
・「下天の階段」を作って迎える地域もある
・福徳と共に戻られるように祈る