沖縄の御願

【沖縄の御願】六月ウマチー、2019年は新暦7月17日!(2019年7月6日更新)

【沖縄の御願】六月ウマチー、2018年は新暦7月27日!

都心部では沖縄の御願行事、「六月ウマチー」はすっかり見なくなりましたが、糸満市などの南部まで足を延ばせば、綱引きやお相撲を行う集落もありますよね!

そんな集落行事の他、門中単位でも朝からデンス(神酒)を作ったり…、賑やかな様子を見ることができます。そんなウマチー(御祭)、グングァッチウマチー(五月ウマチー)は終わりましたが、ルクグヮッチウマチー(六月ウマチー)は、新暦2019年7月17日!

そこで今日は、琉球王朝時代には大切な行事だった沖縄の御願、「六月ウマチー」についてお伝えします。

【沖縄の御願】六月ウマチー、
2018年は新暦7月27日!

沖縄の御願、ウマチーと言えば綱引き!

糸満市で「ウマチー」と言えば綱引き!多くは稲穂の豊穣祈願や収穫祭の日に合わせて行います。

ただその昔は年に四回の沖縄の御願「ウマチー」の他、「カシチー」まであり、その日程のいずれかに合わせて、今では年に一回のみの行事となっている地域が多いです。

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例えば…、上の表は以前の糸満市の資料なのですが、このように地域によって綱引きの日程が分かれます。

【 沖縄の御願:ウマチーの名物大綱引き「スニンジナ」 】

★ 大綱引きは吉凶を占うために行い、「雄」と「雌」の綱を合わせて繁栄と無病息災を祈願する行事です。綱引きには誰でも参加可能!

・ この日に合わせて集落では公民館に人々が集まり、大綱をなってきました。この大綱は「スニンジナ」とか「マンインジナ」とも言われます。

スニンジナは「衆人綱」の意味合い、「ナンインジナ」は「万人綱」の意味合いです。この日は年によっては中学生の路面店などがあったり、地域の学校や企業、サークルのエイサーなどなどで盛り上がります。

★ 糸満市糸満エリアでは、昨年は10月に行われました!大綱引きの新たな情報が出ましたら、また記事をアップしていきます。

ちなみに…、この日は学校も午前授業になるほど、大きなお祭りです(笑)ホラ!↓↓↓
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今でも神人の姿を見る、沖縄の御願「ウマチー」

ただこれは今の姿とも言えます。そもそも沖縄の御願としてのウマチーは、琉球王朝が積極的に進め、王朝に仕える神職であるノロ(祝女)や役人が中心に行ってきたものでした。

本来は稲穂それぞれに祈願・感謝を捧げ、年に四回のウマチーがありましたが、今では四回それぞれの意味合いを意識する方は少ないのではないでしょうか。

【 沖縄の御願:昔ながらのウマチー 】

★ ①二月ウマチーは麦の豊穣祈願、②三月ウマチーは麦の収穫祭、③五月ウマチーは稲の豊穣祈願、④六月ウマチーは稲の収穫祭だったのです。

・ 神職のノロを中心に馬に揺られながら、集落の拝所を巡って拝みを捧げてきました。馬に乗ったノロに続いて、役人の行列が見られたと言います。

けれども麦や稲作の衰退と、明治以降の廃藩置県によってこの姿はすっかりなくなりました。今では前項でお伝えしたように、集落や門中の繁栄や商売繁盛、健康祈願の意味合いへと変化しています。

「ウマチー」と言えばミキ!

沖縄の御願ではウマチーの時に「ミキ(神酒)」を供えるのが特徴です。その昔は、その時々のウマチーに合わせ、麦や稲穂を醸して作ったものでしたが、今ではほとんどがお米を発酵させたミキを供えます。

【 沖縄の御願:ウマチーに欠かせないミキ 】

★ 門中や集落でその年の担当者が、前日から大きなバケツいっぱいにミキを作り、当日は人々へふるまう姿も多いです。

・ 小さな単位でのウマチーの場合や、すでにミキ作り自体を撤廃した地域では、発酵飲料や食品のヤクルトやヨーグルト、市販で販売されている「ミキ」などを供える方もいます。

このミキに関してもとても奥深く、ここでは書ききれないので、改めて記事にします(「ミキ」は「神酒」☆沖縄の御願で欠かせないお酒とは)。ぜひ、楽しみにしていてください!

ウマチーの拝み方

集落で行う場合には、公民館などで各門中の代表がビンシーを携えて集まり、拝みを捧げたりしますが、小さな門中や個人で拝みを捧げる場合には、下記のように進めます。

【 沖縄の御願:ウマチーの拝み方 】

① まず、住まいの御嶽に拝んでください。

…お供え物はミキと「花米」、ヒラウコー(沖縄線香)はタヒラと半分(二枚と半分)です。

② 続いてムートゥーヤー(宗家)で拝みます。

…お供え物はミキと花米の他に、果物の盛り合わせとムイグァーシ(盛り菓子)が加わります。お線香はタヒラ(二枚)を供えてください。

「花米」とは洗っていない、炊いていない、そのままのお米です。ビンシーを用いる家も多いですが、膳に並べても問題はありません。

 

いかがでしたか、今日は沖縄の御願行事「六月ウマチー」の今姿と、琉球王朝時代に行った沖縄の御願行事としてのウマチー、門中で行う拝み方をお伝えしました。

またこの時期は前月に行う「アブシバレー(畦払い)」の後に敷かれる物忌み行事(禁忌行事)、「ヤマドゥミ・ウミドゥミ」が解かれる頃でもあります。

山留め・海留めの意味合いで、山や海へ立ち入っては行けない物忌みなので、プールや海へのお出掛けは、この日を目途に解禁する家族も多いです。

まとめ

旧暦6月15日の「六月ウマチー」とは

・今では集落毎の大綱引きが有名
・昔はノロが集落の御嶽を巡った
・ウマチーでは神酒(ミキ)を供える
・集落の御嶽と宗家の神棚へ拝む
・お供え物はミキと「花米」
・宗家では菓子や果物も供える
・山や海への物忌みも解禁される