ムーチーの始まりが面白い☆地元で有名な兄妹の昔話 | おきなわごころ、かみさまとの暮らし方

ムーチーの始まりが面白い☆地元で有名な兄妹の昔話

ムーチーの始まりが面白い☆地元で有名な兄妹の昔話

ムーチー(鬼餅)は、沖縄では現代も残る、馴染み深い年中行事ですよね。寒い旧暦12月の時期に、今では特に子どもの健康祈願として行われています。

もともとは「ヤナカジ・シタナカジ」と呼ばれる悪霊や悪疫を家から追い払う行事でしたが、いつしか家族の健康、子どもの健康祈願行事として定着しました。

そして毎年、ムーチーの時期になると、鬼になった兄を退治する妹の昔話を聞かせますが、「大人版」「子ども版」があることも、沖縄ではよく知られていますよね。

そこで今日は、ムーチーの起源となる少し変わった沖縄の昔話、ムーチー(鬼餅)の鬼退治話をお伝えします。


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ムーチーの始まりが面白い☆
地元で有名な兄妹の昔話

鬼に変わってしまう兄

その昔、金城(首里)に兄と妹が暮らしていましたが、ある日、兄は大里村へと移り住むことになりました。

その後、妹が無事結婚をして子どもまでもうけた頃、大里村へ移り住んだ兄の、良からぬ噂が耳に入るようになります。

【 ムーチーの昔話☆人食い鬼になった兄 】

☆ どうやら兄は大里村の洞窟に住み着くようになり、人を襲っては食べる「人食い鬼」になっている…、と言う噂です。

・ 妹はいてもたってもいられず、産まれたばかりの赤子を背負ったまま、兄が住み着いていると聞いた洞窟まで訪ねました。

…洞窟の中には悪臭が漂い、床には数多くの骨が散らばっています。「噂通り、兄は人食い鬼になったに違いない!」そこで妹は確信しました。

一度目の訪問で逃げ帰る

妹が急いで帰ろうとしたところ、鬼になった兄に出くわしてしまいます。兄の額には大きな角が生えていました。

妹は「用事があるから帰らなければ…。」と咄嗟に伝え帰ろうとしましたが、鬼になった兄は妹の腕を、たまらない強さでギュッと掴み、「美味しいお肉を御馳走するから、もう少しいないか。」と言います。

【 ムーチーの昔話☆逃げ帰る妹 】

☆ そこで妹は背負っていた赤ちゃんの足をそっとつねって、ひと泣きさせることにしました。

・ 当然、赤ちゃんは泣きだします。「あらあら、トイレに連れて行かなければ…。」と洞窟を出たまま、こっそりと洞窟を覗きました。

鬼になった兄はと言うと…、しばらく妹の帰りを待っていましたが、いよいよ帰ってきません。ついに起こった鬼になった兄は、「くそ!美味しそうな子どもだったのに!」と地団駄を踏みます。

…これをこっそり見ていた妹は、「これでは大里村中の人々が鬼になってしまった兄の餌食になってしまう…、放っておく訳にはいかない!」と決意したのです。

鬼になった兄を退治する、妹の策

妹は家まで逃げ帰ると、鬼になった兄を退治する策を練りました。そこで思い出したのが「兄はムーチー(お餅)が好きだった」と言うことです。

【 ムーチー(お餅)好きの鬼を退治する 】

☆ そこで妹はたくさんのムーチー(お餅)を作り、その中に鉄釘を入れました。

・ そして一部、自分が食べるムーチー(お餅)には鉄釘を入れずに、外から分からないように、サンニン(月桃)の葉で包みます。

出来上がるやいなや、悔しがって追いかけてきた鬼に出くわしました。鬼は地団駄を踏んでは怒っています。

妹は鬼の前にひざまづき、丁寧に話しかけました。「先ほどは勝手に帰ってしまい、失礼をしましたね。お詫びにお兄さんの好きなムーチー(お餅)をたっぷり作りました。」

崖の上に誘い出す妹

もちろん、鬼はムーチー(お餅)が大好物ですから、大喜びです。

そこで妹はいっぱいのムーチー(お餅)を抱えながら、「せっかく兄妹で久しぶりに一緒に食べるのです。眺めの良いところでいただきましょう。」と、鬼と一緒に崖の上に行きました。

【 鉄釘入りムーチーに七転八倒 】

☆ 待ちきれない鬼は崖に付くと、貪りつくようにムーチーにかぶりつきました。けれども固い鉄釘が入っていて、なかなか飲み込むことができません。

・ 一方、鬼が妹を見てみると、妹は美味しそうにムーチーをどんどん食べています。そこで鬼は食べられまい、負けまいと、ムーチーを一気に飲み込んでしまいました。

お腹にはたくさんの鉄釘が入り重く、釘ですから喉や胃を差して、痛くて痛くてたまりません。苦しんでいる鬼が崖近くまで転げまわった時、妹は急いで兄を突き落としました。

こうして人食い鬼は妹の賢い策によって、退治されたのです。そしてこの日が旧暦12月8日だと言われています。

大人のムーチー、昔話

これが子どもに聞かせるムーチーの起源なのですが、実は少しばかり違います。崖まで鬼と妹が来た時、妹は下に何もはかずに来ていました。

【 神聖な力があるとされる「ホー」 】

☆ 鬼がお餅を食べて苦しみ出した頃、妹は着物をはだいて自分の下を見せたのです。すると、鬼は「妹の下に口がある!」と恐れます。そのまま妹が崖まで鬼を逃げさせ、崖下まで突き落としました。 

・ 沖縄では女性の下は神聖なものとされています。女性の下は「ホー」、この昔話のように女性の下を見せることを、「ホーハイ」と言います。

…現代の人々の感覚からすると、ちょっと子どもには聞かせられないお話ですよね。ですから、前の昔話のように少しだけ変えて伝えられてきました。

 

いかがでしたでしょうか、今日は来る旧暦12月8日、新暦2019年では1月13日(日)にやってくる、沖縄の悪疫払い・健康祈願行事である「ムーチー」について、その起源となる昔話をお伝えしました。

この昔話は沖縄の人々の間では、とても親しまれているため、一部地域ではムーチーに実際に鉄釘を入れて作る光景も見受けられます。

今ではムーチー作り用の粉も沖縄のスーパーで販売され、紅芋が入った赤ムーチーや黒糖ムーチー、黄色いムーチーなど、色とりどりのムーチーが作られるようになりました。

全国的なお餅と違い、もち粉に水を加えて蒸かす作り方で簡単なので、ぜひ、家族で作ってムーチーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

【 沖縄の旧暦12月行事、ムーチー 】

・ ムーチーの始まりが面白い☆地元で有名な兄妹の昔話
・ ムーチーの作り方☆無病息災を願う3つの祈願
・ 沖縄の行事ムーチーの舞台☆兄妹の物語が残る御嶽とは

まとめ

ムーチーの起源となった昔話

・首里金城の兄妹の物語
・兄が大里(現南城市)に移り住む
・兄が洞窟に住み着き、人食い鬼となってしまう
・妹が鬼に、崖上で釘入りの餅を食べさせる
・痛がる鬼のすきを付いて、崖から落とす
・本当は妹が下を見せて鬼を怯えさせた


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