フーフダ(符札)をもらおう☆発行している寺院や神社
沖縄では「フーフダ(符札)」と呼ばれる木札を、門前や四隅に祀りますよね。沖縄ではよく見られる光景ですが、本州の方は不思議に思う方も多いです。
もともと全国各地の遺跡で、木のお札が発見されてきました。そう考えると大昔は沖縄のようなフーフダ(符札)は全国であったようです。それが本州では紙のお札へと変わり、沖縄ではフーフダ(符札)として、残されてきたのかもしれません。
昔ながらのフーフダ(符札)があると、家庭を守る女性は安心ですよね。そこで今日は、沖縄のお屋敷を守るフーフダ(符札)、発行する寺院や神社をお伝えします。
フーフダ(符札)をもらおう☆
発行している寺院や神社
フーフダ(符札)を発行する寺院、その1
沖縄では本州のような檀家制度はありませんが、寺院はあります。沖縄で多い寺院は臨済宗です。続いて真言宗や浄土宗…と続きますが、いずれにしても、沖縄の方々は本州ほど宗派を気にしている方は多くはありません。
【 フーフダを発行する、臨済宗の寺院 】
☆那覇市
・首里の慈眼院(じげんいん)…北斗七星を表した鬼偏七文字、門用と四隅用を発行しています。(四隅用は四隅の神様の名)
・寒川の安国寺(あんこくじ)…「七難即滅亡七福即生(モン)」「應無所住而生其心(モン)」、七難滅び七福生まれる、執着なくし清い心で、と書かれています。
☆糸満市
・糸満の蓮華院(れんげいん)…上記の安国寺と同じ「七難即滅亡七福即生(モン)」のフーフダです。
…などなどがあります。フーフダ(符札)は門用の他に四隅に祀るお札がありますが、寺院で発行するお札のほとんどが、東西南北の神様の名です。
※東西南北の神様「東方持国天王」「西方廣目天王」「南方増長天王」「北方多聞天王」
フーフダ(符札)を発行する寺院、その2
以上が臨済宗のフーフダ(符札)をもらえる寺院(沖縄本島)ですが、もちろん他の宗旨宗派もあります。沖縄で臨済宗に続いて多い寺院は真言宗ではないでしょうか。下記は臨済宗以外の宗旨宗派、沖縄本島にある寺院です。
【 臨済宗以外のフーフダ(符札) 】
☆那覇市
・若狭の護国寺(真言宗)…
真言宗のフーフダ(符札)は、梵字が描かれているものが多く、護国寺でも中央に梵字、左右に「除災招福」「家内安全」と書かれています。
・上之屋の聖現寺(真言宗)…
コチラも中央に梵字がありますが、左右の文字が違い、「七難即滅」「七福即生」です。臨済宗のお札と内容は似ていますね。
☆中部
・普天間の真宮寺(真言宗)… お札の内容は聖現寺と同じです。こちらでも、門の他、四隅のフーフダ(符札)も発行してくれます。
☆南部(那覇を除く)
・阿波根の浄土寺(浄土宗)… 左右の文字は「諸罪消滅 無諸障疑」「家門清寧 福寿無量」(諸々の罪が消滅する・無限の福寿がもたらされる)
・豊見城の童心寺(天台宗修験本宗)… 左右の文字は「妖怪浦急々如律令」「七福即生急々如律」
…などなどです。
浦添市西原にある常幸寺(じょうこうじ)でもフーフダ(符札)は発行していますが、コチラは四隅用のみで門用のフーフダ(符札)がありません。
フーフダ(符札)を発行する神社
今、沖縄ではさまざまな宗旨宗派がフーフダ(符札)を発行しているため、もちろん神社でも出しています。…ただし、全国的にも有名な那覇市若狭の波上宮(なみのうえぐう)では、木のフーフダ(符札)はありません。(紙のお札です。)
【 フーフダ(符札)を発行する神社 】
①普天間宮 …
お正月には多くの人々が参拝に訪れる宜野湾市の普天間宮、「穢れを祓い福寿が訪れる」意味合いの門用と四隅のフーフダ(符札)をもらえます。
②識名宮 …
那覇市繁多川の識名宮でも、普天間宮と同じ内容のフーフダです。盗難などの厄祓いにもなります。
波上宮と同じ、那覇市奥之山公園内にある護国神社でも、フーフダ(符札)自体はありますが、コチラも門用や四隅用はなく、玄関に祀るお札のみです。
沖縄離島のフーフダ(符札)
ここまで、沖縄本島のフーフダ(符札)発行場所についてお伝えしましたが、実はフーフダ(符札)は離島の方が盛んです。
【 沖縄の離島で、フーフダのある寺院 】
・宮古島平良の祥雲寺(臨済宗) … お札は「七難即滅七福即生(モン)」「應無所住而生其心(モン)」を門に祀ります。
・宮古島の浄土真宗宮古布教所(浄土真宗) … 「神力演大光普照無際土」
・石垣島の八重山本願寺布教所(浄土真宗) … 「利剣即阿弥陀名号」「唱正念魔皆除去守」などです。
…などなどがあります。
寺院や神社だけではない
前にも少し触れましたが、沖縄ではもともと神職であるユタさんや易者の方々が、お祓いや占いの際に出していました。
【 ユタさんが出すフーフダ(符札) 】
☆ そのため、神職の方々が個人的に出しているフーフダ(符札)もあります。
・…ですが、今ではほとんどが寺院や神社からもらったフーフダ(符札)ではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の屋敷を守るムンヌキムン(厄払いのアイテムのことを差します。)のひとつ、フーフダ(符札)の発行場所についてお伝えしました。
フーフダ(符札)の言葉で出て来る「七難」は「水・火・風・刀杖(とうじょう)・鬼・枷鎮(かさ)・怨賊」、それぞれをお伝えするには、説明が長くなるので控えますが、人の欲による災難の意味合いもあります。
一方、七福は「律儀・威光・有福・大量・愛嬌・人望・寿命」、律儀や愛嬌など、努力によって得られるものは、ぜひ心得たいですね。
特にT字路や十字路の角家など、気になるところがある方は、ぜひ、フーフダ(符札)を求めてみてください♪
まとめ
フーフダをもらえる寺院・神社
・那覇市の慈眼院(臨済宗)
・糸満市の蓮華院(臨済宗)
・那覇市の護国寺(真言宗)
・普天間の真宮寺(真言宗)
・阿波根の浄土寺(浄土宗)
・中部は普天間宮
・南部は識名宮
・宮古島の祥雲寺(臨済宗)
・石垣島の八重山本願寺布教所(浄土真宗)
・ユタさんが個人的に出すものもある