沖縄の御願

フーフダ(符札)で家族を守る☆門前の木札5つの豆知識

フーフダ(符札)で家族を守る☆門前の木札5つの豆知識

フーフダ(符札)は沖縄の家の門前などでよく見掛けますが、本州から来た方々のなかには、「何これ?」と驚く方も多いですよね。本州でもフーフダ(符札)はありますが、思えば紙のお札…、木のフーフダ(符札)は全国的にも沖縄だけなのかもしれません。

このフーフダ(符札)は、家を守ってくれるお守りで、ユタさんなど、神職の方が出すこともあります。そこで今日は、沖縄の門前で見られるフーフダ(符札)について、詳しくお伝えします。

フーフダ(符札)で家族を守る☆
門前の木札5つの豆知識

ヤナカジ・シタナカジから家を守る

沖縄の御願言葉(グイス=祝詞)には、よく「ヤナカジ・シタナカジ」が出てきます。沖縄ではこのヤナカジやシタナカジから家や人々、御先祖様を守るための、多くの拝み行事や儀礼があるほどです。

【 ヤナカジ・シタナカジとは 】

☆ 「ヤナカジ」は「悪風」として、疫病や悪霊などを差します。「シタナカジ」は「穢れた風」で、穢れた霊の意味合いです。

・ これらをはねのけるために、沖縄ではさまざまな厄払いのアイテムがあります。屋敷で有名なものは、石敢當やシーサーではないでしょうか。

この厄払いのアイテム達を沖縄では「ムンヌキムン」と呼び、特に十字路やT字路に当たる家では、大きな「ムンヌキムン」で祓ってきました。

沖縄のフーフダ(符札)は木

沖縄のフーフダ(符札)が珍しく思えるのは、木札だからではないでしょうか。本州でも寺院や神社が発行している「お札」は数多くありますよね。

【 フーフダを門前に祀る 】

☆ もともとはフーフダ(符札)は易者(主に男性)やユタさん(主に女性)が発行してきました。けれども今では寺院や神社でも出してくれます。

・ フーフダ(符札)を発行している場所(人)によって違いますが、主にこれを、左右の門前や屋敷(家)の四隅に祀るのが習わしです。

ユタさんなど神職の方々がフーフダ(符札)を発行するものは、大正時代の昔からありました。けれども神社や寺院で発行されるようになったのは、戦後です。

…とは言え、現代ではフーフダ(符札)を発行してくれるユタさんはいるものの、ほとんどが神社や寺院でもらっています。

発行する場所によって言葉が違う

沖縄のフーフダ(符札)を見て回ると、「何だかどれも書いてる文字が違う!」と驚くかもしれません。

同じムンヌキムンである「石敢當(いしぐぁんとぅ)」と違い、書いている文字はさまざまな種類があります。(石敢當も梵字が描かれていたりと、珍しいものもありますが…。)

【 沖縄のフーフダ(符札)、文字が違う理由 】

☆ これは実は、フーフダ(符札)を発行している神社や寺院によって、お札に書く文字が違うからです。

・ ただ、しばしば見られる共通点はあり、例えば寺院が発行する「屋敷の四隅のフーフダ(符札)」は、四隅の神の名前が書かれています。

思えば「神社や寺院」と言うように、あらゆる宗旨宗派の施設が発行しているのですから、当たり前と言えば当たり前です。

…ただ、沖縄にはそもそも「檀家制度」がありません。「葬儀でも近所のお坊さんに読経をお願いする…。」くらいの考え方ですから、宗旨宗派についてあまり知らない方も多いかもしれません。

宗旨宗派を問わず得られる

「宗旨宗派」は仏教、神教などの宗旨と、同じ仏教でも真言宗や臨済宗、浄土真宗と言う宗派を差しています。

御願文化が栄えた沖縄では、菩提寺も持たずに特定の宗旨宗派に属する家も少ないですが、琉球王朝時代(1495年)に建立された、円覚寺の臨済宗が多いです。

【 沖縄のフーフダ(符札)の発行 】

☆ お寺では首里山川町の慈眼院(臨済宗)、神社では普天間宮など、今では割と身近で発行してもらえますので、訪れてみてください。

・ 真言宗・浄土宗など、他の宗派の寺院でも発行しています。

詳しくは「フーフダ(符札)をもらおう☆発行している寺院や神社」で、お伝えしていますので、訪ねてみてください。

フーフダ(符札)に書かれていることって?

前に少し触れたように、発行する神社や寺院によって、書かれている内容は違います。

【 さまざまなフーフダ(符札) 】

北斗七星を表したフーフダ(符札)では、災いを防ぎ果報を授かると書かれています。もう一方は「この札を釘で打つ」の意味合いです。

・蓮華院や祥雲寺では「7つの難が消え、7つの福が来る」の意味合いがあります。もう一方は「執着を捨て清く生きる」内容の言葉が書かれています。

前述した寺院が発行している四隅に祀るフーフダ(符札)の四隅の神は、「東方持国天王」「西方廣目天王」「南方増長天王」「北方多聞天王」です。

四隅のフーフダ

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の屋敷(家)の門前で見られるムンヌキムン、「フーフダ(符札)」についてお伝えしました。

沖縄では門前にフーフダ(符札)が貼られている光景は、良く見られるため、あまり気に留めていない方が多いです。「本州から来た友人に聞かれて驚いた…。」との体験談も良く聞こえます。

また、特に那覇市の都心部など、若い世代では新居を構えても、「フーフダ(符札)の存在を知らなかった!」との声も多くなりました。

けれども屋敷を守るムンヌキムンは、家族を守る女性にとっては、とても心強い存在です。ぜひ、フーフダ(符札)を求めてみてはいかがでしょうか。

フーフダ(符札)をもらおう☆発行している寺院や神社

まとめ

沖縄の屋敷を守るフーフダ(符札)とは

・屋敷をヤナカジ、シタナカジから守る
・沖縄では木札を門前や四隅に祀る
・もともとは神職の方々が発行していた
・戦後からは神社や寺院でも発行している
・それぞれの宗旨宗派で違う札が得られる
・沖縄の寺院では臨済宗が多い
・沖縄の主要な神社でも発行している