沖縄の御願

沖縄の十五夜と言えばフチャギ☆本州と違う5つの風習

沖縄の十五夜と言えばフチャギ☆本州と違う5つの風習

沖縄の十五夜は本州のものとは少し、違いますよね。そもそも本州では新暦9月15日がお月見…、つまり十五夜ですが、沖縄は旧暦で行います。

本州では白いまん丸お団子をピラミッドのように盛りつけ、家族でお月見を楽しむイラストが定番ですが、沖縄の十五夜と言えば「フチャギ」です。

そもそもフチャギとは何か、作り方は?…いろいろと分からないことも多いですよね。そこで今日は、沖縄の十五夜、お供え物や拝み方をお伝えします。

沖縄の十五夜と言えばフチャギ☆
本州と違う5つの風習

沖縄の十五夜は、旧暦8月15日

月

もともと日本は月の満ち欠けを中心とした陰暦でした。

そもそもその頃から、旧暦8月15日が十五夜だったのですが、新暦へと変わった後、本州では旧暦は身近なものではなくなりました。

【 沖縄の十五夜、2018年の日程 】

★ そのためおおよそ一か月遅れのズレを考慮し、本州では新暦9月15日になりましたが、沖縄では旧暦のまま十五夜を行ってきたのです。

・ 2018年度の旧暦8月15日は、2018年9月24日(月)!今年は、秋分の日(9月23日)の振り替え休日となります。

沖縄の十五夜、「ジューグヤ」

フチャギ

沖縄言葉で十五夜は「ジューグヤ」、本州では満月を愛でるイメージが強いですが、沖縄では拝みが中心です。

【 沖縄の十五夜は? 】

★ それぞれの家庭では、他の御願行事と同じく、ヒヌカンとお仏壇にお供え物をして手を合わせます。その時のお供え物が「フチャギ」!

・ また、南部の我が地域ではジューグヤには大綱引きがあります。農作物の豊作祈願や収穫祭のウマチーやカシチーと合わせ、どこかで綱引き行事を行う集落が多いです。

そのため、沖縄で十五夜(ジューグヤ)がある新暦9月は、毎週週末は綱引きの準備が詰まっています♪

小綱編みや大綱編み…、地域の御嶽や神社の清掃などなど…、地元の中学校などでも部活がお休み(部停)するほどです。

沖縄の十五夜で供える「フチャギ」とは

フチャギ2

沖縄の御願行事では、お菓子や果物などなど、いろいろとお供えをする行事が多いですが、十五夜に限ってはフチャギを供えればOK♪

ただ日ごろのお供え物は供えてください。ヒヌカンであれば酒・塩・水・供え葉、お仏壇はお茶・酒・供え花です。

【 沖縄の十五夜で供える「フチャギ」とは 】

★ フチャギはお餅に小豆をまぶしたものです。今では美味しいので、もち米で作ったお餅も多いですが、沖縄では「もち粉」もしくは「白玉粉」で作ります。

もち粉で作る、フチャギの作り方

沖縄の十五夜と言えばフチャギ☆本州と違う5つの風習

「フチャギの作り方」と言っても、とても簡単です。材料は沖縄のスーパーで販売しているもち粉と塩、小豆のみ!

本州でも気軽に作れるよう、本日は白玉粉でご紹介します。

【 フチャギの作り方 】

材料)白玉粉は2カップに対して、ぬるま湯80ccの割合で準備してください。小豆は豆から作ることもできますが、小豆の水煮缶が便利です。

作り方)

①まぶす小豆を煮付けます。水煮缶を鍋に空け、少し水を加えて浸したら、塩を適量振り掛けながら煮立ててください。

②水が飛んだら別皿に空け、荒熱を取ります。

③白玉粉は水を加えて練り混ぜ、程よい柔らかさ(耳たぶが目安!)でお餅のように形を整えてください。

④別鍋にお湯を沸騰させ、作った白玉粉のお餅を入れます。

⑤お餅がプッカリと浮いた頃に取り出し、荒熱を取っておいた小豆をまぶせば完成です♪

もち粉で作るのであれば、蒸し器で作ります。小豆も豆から作る場合は、前日からたっぷりの水で浸し、柔らかくしてから煮たててください。

沖縄の十五夜での拝み方

ヒヌカンのお見送り☆年末に神様を見送る「昇天の拝み」

ヒヌカンへは、日ごろのお供え物(酒・水・塩・供え葉)の他に、このフチャギのみお皿に乗せてお供えをします。

お仏壇も日ごろのお供え物(一対のお茶・酒・供え葉)の他に、お膳にお皿に乗せたフチャギを、お箸を添えて供えてください。

【 沖縄の十五夜、拝み方 】

★ お供えをしたら、ヒヌカンへはヒラウコー(沖縄線香)タヒラ半(2枚と半分)、お仏壇へはタヒラ(2枚)を供えてから、拝みます。

・「ウートゥートゥー ヒヌカン(ウヤフジ)ガナシー(あな尊き 火の神(御先祖)様)、

本日は八月十五日、十五夜の日となり、フチャギをお供えして御願をしております。どうぞ、お受け取りください。

そして家族がみな、健やかに穏やかに過ごせますよう、お見守りください。」

…最後に、「クワッウマガンチャー サカイハンジョーシミティー、ウタビミスーリー ウートゥートゥーディービル」と伝えます。

これは「子孫皆、栄え繁盛しますよう、どうぞよろしくお願い致します。」です。

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄での十五夜の拝み方をお伝えしました。沖縄の旧暦行事では、ヒヌカンとお仏壇への拝みは欠かせません。

お月さまへ拝むジューグヤは、沖縄では家族が健康に過ごしていることへ感謝をし、今後も健康であるよう祈る行事です。

ですから、沖縄では十五夜を「ジューグヤ」の他、「十五夜拝み(ジューグヤウガミ)」や「月拝み(チチウガミ)」などとも呼びました。

また、綱引きをするように豊作祝いの意味合いもあり、豊作祝いで行う組踊り(八月踊り)を行う地域もあります。

まとめ

沖縄での十五夜の拝み方

・沖縄の十五夜は旧暦で行う
・2018年の十五夜は9月24日(月)
・十五夜にはフチャギを供える
・大綱引きを行う集落もある
・フチャギはお餅に小豆をまぶしたもの
・お餅はもち粉や白玉粉で作る
・供えたら感謝と家族の健康を祈る