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秋のお彼岸、沖縄での拝み方☆本州とは違う習慣とは

秋のお彼岸、沖縄での拝み方☆本州とは違う習慣とは

お彼岸は沖縄ではお墓参りをしない地域も多いですよね。そもそも、本州ほどお彼岸は沖縄では広がっていないのかもしれません。

沖縄では清明祭(シーミー)などのお墓参り行事以外では、あまりお墓参りを良しとしません

その代わり「お仏壇とお墓は繋がっている」とされるため、お仏壇へ拝みます。(…と言っても、南部の門中(一族)ではお彼岸にお墓参りをする門中も見られます。)

そこで今日は、お彼岸に行う沖縄での拝み方を、お仏壇へのウサギムン(お供え物)からお伝えします。

秋のお彼岸、沖縄での拝み方☆
本州とは違う習慣とは

2018年、お彼岸の入りと明け

彼岸花

お彼岸は沖縄に限らず、春は春分の日・秋は秋分の日を中心にして前後3日間、合計7日間の期間を差しています。

そもそも「お彼岸」とはあの世のことで、イチミ(生きている者)の世界は「此岸」です。

春分・秋分の日は太陽が真東から登り真西に沈むため、彼岸と此岸が最も近いとされています。

【 2019年、秋のお彼岸の時期は? 】

①2019年、彼岸の入り … 2018年9月20日(金)
②2019年、彼岸の明け … 2018年9月26日(木)

全国的なお彼岸では、春の彼岸では自然や生き物を尊ぶ日、秋の彼岸では亡き人々や先祖を偲ぶ日、とされてきました。

そのため全国的にはお墓参りが恒例行事となっているお彼岸ですが、沖縄では少し違います

お彼岸、沖縄のお供え物

ウサンミお供え

冒頭でお伝えしたように、沖縄ではお墓参りを気軽に行うことをしません。

また、「お墓とお仏壇が繋がっている」との考え方があるため、お墓参りに行かない地域が多いです。

…と言っても、南部の門中ではお墓参りが恒例行事ですし、春は参らなくても秋にはお墓参りをする(秋は先祖供養のため)…、と言う門中もあります。

【 お彼岸で出す、沖縄のお供え物 】

★お彼岸でのお供え物は定番のウサンミ(御三味)、お盆などではジューバク(重箱)に詰めるおかずです。

ヒヌカン … 基本のお供え物(水・酒・塩・供え葉)に、「ウチャワキ(お茶脇)」として、前述したおかずをお皿に盛って供えます。

お仏壇 … 基本のお供え物(お茶一対、お酒、供え花)の他、

・お膳に、お皿に盛ったおかずと、白餅7個をお箸と一緒に

琉球菓子の盛り合わせ

・果物の盛り合わせ

・後ほど焚くあの世のお金「ウチカビ」も添えておきます。

…を供えてください。琉球菓子の盛り合わせは「ムイグァーシ」などと言われ、「マキガン」と呼ばれるロール菓子などの7種です。(供え方は上の絵を参考にしてください。)

琉球菓子は別記事「沖縄の御願で供えるお菓子☆琉球菓子の豆知識」もあります。

ただ現代では、今の子ども達の好みに合わせた、現代のお菓子を7種盛り合わせる家庭も増えました。

沖縄の御願で供えるお菓子☆琉球菓子の豆知識

お彼岸、沖縄で拝む言葉

拝む手

ヒヌカンとお仏壇へのお供え物が準備できたら、御先祖様を偲んで拝みを捧げます。ヒヌカン、お仏壇へ掛ける言葉は下記の通りです。

【 お彼岸、沖縄で拝む言葉 】

ヒヌカン … 

ウートゥートゥー ヒヌカンガナシー、本日、お彼岸の日を迎え、家族皆集まって彼岸祭を行います。」

「これからも家族が皆、健やかに、穏やかに、無事に過ごすことができますよう、どうぞお見守り下さい、ウートゥートゥーディービル。」

お仏壇 …

「ウートゥートゥー ウヤフジガナシー、本日、お彼岸の日を迎え、家族皆集まって彼岸祭を行っています。」

「これからも家族みな健やかに、穏やかに過ごせますよう、

クァウマガヌチャー、サカイハンジョウシミティー ウタビミスーリー、ウートゥートゥーディービル」

…最後の言葉は、「子孫皆が栄え繁盛しますよう、どうぞ宜しくお願いいたします。」と言う意味合いがあります。

お彼岸の後、沖縄の御願の流れ

ウチカビを焚く

お供えものをしてヒヌカン→お仏壇の順番で、家長を中心に拝みを終えたら、その後はお仏壇に供えてあったウチカビを焚き上げてください。

【 お彼岸、沖縄の拝み 】

★金属ボウルに水を張るか、底に網を敷いて、お仏壇前でウチカビを焚き上げます。家長が5枚、集まった残る家族親族は1人3枚です。

・ウチカビを焚き上げたら、最後にお酒を掛けて終わります。

その後はお供え物をウサンデー(下して)、集まった家族皆で御先祖様、故人を偲びながら共食をしてください。

※ウチカビについては別記事で詳しくお伝えしています。(後日アップします)

シルカビやウチカビ☆作り方や使い方5つの豆知識

お彼岸の入り後、沖縄で行う屋敷の拝み

屋敷の御願のお供え物☆イラストで詳しく解説します

また、お彼岸は沖縄では「屋敷の御願」を行う時期でもあります。

日ごろはヒヌカン(火の神)に、他の神々へ通してもらっているのですが、春分と秋分、年末の3回は、屋敷の神々を廻る家庭が多いです。

【 お彼岸、沖縄の屋敷の御願 】

★お彼岸とは別に、お膳にお酒やお米(花米・洗い米)、ウチャヌク(三段重ねの白餅)などを供えて家の神々6柱を廻って拝みます。

屋敷の御願は供え物や拝み処、拝み方などでお伝えする事柄が多いので、別記事でもお伝えしました。ぜひ、コチラも参考にしてください。

屋敷の御願の進め方☆家族が疲れたら行いたい5つの流れ
マンションで屋敷の御願☆家の神々への拝み方
屋敷の御願のお供え物☆イラストで詳しく解説します

ありがとう

いかがでしたでしょうか、今日はお彼岸の沖縄での拝み方についてお伝えしました。

本州ではお墓参りが定番ですが、足腰が弱くなったりと、お墓参りが困難な方も多いのではないでしょうか。そんな時には、お仏壇にお供え物をして、手を合わせてみるのも、ひとつの方法です。

お線香の煙と般若心経、拝みの言葉を唱えるだけでも、イチミ(生身)は故人を偲べますし、亡き人々へ言葉も届きます。

「なかなかお彼岸に合わせて、お墓参りに行けない!」と言う方は、ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

沖縄でのお彼岸の拝み方

・2018年は9月20日~26日が秋のお彼岸
・御馳走とお菓子、果物を供える
・火の神→お仏壇の順で拝む
・彼岸祭を行っていることを伝える
・家族皆健康に過ごせるよう祈る
・拝み後、ウチカビを焚く
・お供え物を下げて、皆でいただく