沖縄のユタさん

【沖縄のユタ】ユタさんとの付き合い方はある?

【沖縄のユタ】ユタさんとの付き合い方はある?

沖縄では昔から、ユタさんの存在を信じてきましたよね。琉球王朝時代に神事を司ってきた女性が祝女(ノロ)、民衆の間で広がった神職の女性が沖縄のユタです。

今でも引っ越しやお墓事や法事…、沖縄では何かとユタのお世話になる家は多いです。ただ経験の深いおばぁに悩みを相談すると、「注意点もある」と教えてくれました。

なので今日は、沖縄でユタさんと上手にお付き合いしていくために、ぜひ注意して欲しいこと、心得を書きます。ただし、これはおばぁ達とのよもやま話で出て来た話…、さまざまな考え方があることも理解して読んでください。

【沖縄のユタ】
ユタさんとの付き合い方はある?

沖縄で伝わる「医療半分、ユタ半分」

沖縄で主婦になると、ユタさんにまつわる「医療半分、ユタ半分」の言葉を聞きます。一部では「ユタへの批判」と捉える方もいますが、よくよく話を聞いてみると、そういう意味合いとは限りません。

以下のお話は、この母達の「合言葉」の意味合いが、よく分かるお話です。

【 沖縄で聞く「医療半分、ユタ半分」 】

★ まだ若い経験の浅い母だった頃、就学前の子どもが高熱を出しました。39度、40度と上がっていきます。

・ そこで「そう言えば先日、子どもがむやみに入ってはいけない御嶽に入ってしまったんだった!」と、咄嗟にユタさんに連絡をしたんです。

そして、電話でユタさんに言われた通り拝んでいたところ、それに旦那が気づき、「凄い熱いじゃないか!拝む前に病院へ連れて行け」と、一喝しました。

【 ユタさんと病院、双方に相談する 】

★ 確かに「霊障として高熱が出る」とも言われ、ユタさんの拝みも大切なのですが、そればかりが理由とは限りません。冷静に考えると、判断できます。

・ 特に体や病気に関する事柄は生死に関わりかねない大事な事です。ユタさんに相談をする一方で病院にも掛かって、家族をしっかり守ってください。

「その御願は下げなさい」と言われても…

迷い事や悩み事があると、ついつい何人ものユタさんに判示(判断)を求めてしまうこともあります。

ただ、ある日「御願してきたものを下げてきなさい。」と言われた…、と相談を受けました。これは戸惑う方も多いのではないでしょうか。「拝みをキャンセルする」と意味合いがあるからです。

【 神様に一度お願いした御願、下げてもいいの? 】

★ 一度お願いしたのに、「いえいえ違いました~」と下げるのは、神様にとっては良い気持ちがしないんじゃないか…、と抵抗を感じる…、と言う声は実際に多いです。

・ そこでおばぁに相談すると、「確かに御願を下げるのは良くないね~。」と言われました。

そもそも、「複数のユタさんに相談する(複数の場所で判示を取る)ことは良しなのか?」も、沖縄の母達のユタ話ではよく話題にのぼります。

沖縄の母、「私のユタの選び方」

やはり結果的には、複数のユタさんには相談しない方が良いことが多いです。確かに複数の人に同じ事を言われれば、より信じられますが、反対に言えばそれは最初のユタさんが信じられないことの裏返しとなります。

ただ、だからと言って最初に聞いたユタさんが、本物であるかどうかは誰にも分かりません(相性もありますし…)。ここで「自分の感覚を信じる」ことで、しばしば聞くユタさんとのトラブルも防げるのかもしれません。

※ もちろん、どの世界でもそうであるように、相性の悪いユタさんもいれば、誠実で信頼できるユタさんもいます。

【 沖縄の母に聞く、判示(ハンジ)の判断 】

★ ユタさんの判示に振り回されてしまうのは、自分の軸がしっかりしていないから…、ユタさんを前にして、自分の感じるところを大事にしてください。

・ ユタさんの判示自体に注目するのではなく、「判示を聞いて自分がどう感じたか、納得できたか。」が大切です。

そのためには、自分自身が「拝み人」として、日々の拝み事をしていることが生きてきます。

拝みで得る気づきと、ユタとの出会い

やってみなければ分かりませんが、日々神様へ拝みを捧げていることで、自分や家族の悩みが何故起きたのか、注意事項などに気づくことがあります。そんな日々の気づきを、ユタさんの判示で重ね合わせると振り回されません。

【 ユタさんは、出会い 】

★ 「ユタの力には上下や位がある」説もありますが、それとは少し違います。「本当に必要であれば、神様が適切な出会いをくれる」と思ってください。

・ ユタにも得手不得手があること、自分との相性があることは、理解しておくと、お付き合いもスムーズです。

まずは自分がしっかりと、御願をする

おばぁと話をしていると、面白い話をしてくれました。テレビなど楽しみがなかった頃、女性の楽しみは「ユタ通い」だったとか!

「男がお酒を飲みにいくように、女性はユタさんに通ってた…、今でいう占い師みたいな感じよ。」と言っていました。

【 ユタさんとの良い距離感、関係性 】

★ もちろん人や家によって違いますが、何十年も日々の拝みを欠かさないおばぁには軸があり、ユタさんとの関係性に丁度良い距離感がありました。

・ また、もちろん悩みばかりではなく、御願の方法を聞いたりして、とても良い関係を築いています。大切なのは「バランス」です。

どうでしたか、今日はユタさんとの付き合い方を書いてみました。ユタさんとの付き合いに悩んだ時には、やはり長年家の御願を担ってきたおばぁが頼りになります。たくさんの智慧に驚くはずです。

また、信頼できるユタさんに迷ったら、まずは地元のユタさんを訪ねてみてください。地元の御嶽や産川、火の神様へ拝んでいるユタさんは、その地域の人たちに寄り添ってくれます。

そして、必要であれば必然的な出会いがありますし、引き寄せられなければ、今は必要がない、と捉えると心も楽です。ユタではなくとも、おばぁが屋敷の御願を行ってきたように、普通の主婦でも出来ることはあります。その事柄に注力してみてはいかがでしょうか。

その他にも「あまりあちこち巡らないユタさんが良い(霊障を感じないからあちこち行けるはず)」と言う神人さんもいました。ただこれも、その人の意見で実際には信頼できるユタさんが、御嶽巡りをしていることも、もちろんあります。

自分のなかの神様、守護神や御先祖様の御加護を信じて、相性の良いユタさんと、良い関係を築くと沖縄の拝み事が楽しく、楽になるはずです。

まとめ

ユタさんとの上手な付き合い方
・体事はユタさんと同時に病院にも掛かる
・「神様がどう感じるか」まで考えて判断する
・ユタさんに振り回されないためには、軸を持つ
・自分軸を持つためにも、日々の拝みが役立つ
・必要であれば、適切なユタさんとの出会いがある
・地元の神様へ拝むユタさんを選ぶ人も多い
・ユタさんにも得手不得手、相性がある