ヒヌカン 沖縄の御願

【沖縄の御願】ヒヌカンを新しく仕立てるには?

【沖縄の御願】ヒヌカンを新しく仕立てるには?

ヒヌカンは沖縄では現代も家庭に残る、御願文化の中心ですよね。一時期はヒヌカンを置かない家庭も増えていましたが、今は改めて注目されてきました。

ヒヌカンは本来、親から子へと受け継ぐ文化があります。ウコール(香炉)の灰に神様が宿っているとされ、灰を受け取って「分家」するのです。

ただなかには一時期のヒヌカン離れから「実家にウコールがなかった」などの話も多くなりました。そこで今日は、新しくヒヌカンを仕立てる方法をお伝えします。

【沖縄の御願】
ヒヌカンを新しく仕立てるには?

ヒヌカンを仕立てる前に

【おきなわごころ】「おきなわごころ」を書く理由って?

ヒヌカンを新しく仕立てる時、「実家にヒヌカンがない」などの理由が多い一方で、「実家の災難を引き継ぎたくない」との話もあります。

【 ヒヌカンは神様 】

★ けれども、そもそもヒヌカンはかまどの神様です。災難を引き継ぐことはないので、その点は安心してください。

・ ただ拝み手の心が何よりも大切…、拝む時にわだかまりを感じるなら、新しく仕立てるのも、ひとつの決断かもしれません。

また、ヒヌカンを仕立てなくても屋敷(家)は変わらず神様がいます。ヒヌカンがない家では「トゥパシラヌカミ(戸柱の神)」や「フールヌカミ(トイレの神)」へ祈る家も多いです。

ヒヌカンの道具を揃える!

ヒヌカンの準備

まずはヒヌカンの道具を台所に並べてください。コンロ脇が多く、家によってはヒヌカン用のスペースを設けた設計の家もあります。

ヒヌカンの道具は地方ではサンエーなどの大型スーパーや、ホームセンターなどで見掛けます。なければ仏具店が安心です。

【 ヒヌカン道具を揃える 】

★ ただ実は、ヒヌカンの道具は専用のものでなくても構いません。柄が入っていても問題はないのですが、専用に揃えて「他の用途に使わない」ことが大事です。

・ 「ヒヌカンの道具=白い陶磁器」のイメージが強く、実際それが標準ですが、多くの家でヒヌカンを見せてもらうと、意外にもさまざまだったりもします。

那覇市近郊で仏具店と言えば「仏壇通り」が有名ですよね。国際通りの一本後ろ(公設市場の裏側)、開南交差点から与儀交差点へ抜ける道です。

ただ、ひと昔前には多くの仏壇店が連なっていましたが、今では昔ほどの活気はありません。それでも仏具店が並んでいるので、ぜひ訪れてみてください。

ヒヌカン道具

【沖縄の御願】ヒヌカンを本州で仕立てることはできる?

大型スーパーなどではヒヌカングッズの他にも、お仏壇の道具、ウチカビやヒラウコーなどが並びますよね。ヒヌカン専用に容器を買いそろえるなら、「白い陶磁器」を選べば、それがヒヌカン用です(柄物はお仏壇用が多いです)。

前述したように、それが定番ですが、専用のものを揃える家ばかりではありません。「ヒヌカン専用に」揃えればOKです。(他の用途では使用しないでください。)

【 用意するヒヌカン道具 】

・ 花生け(チャーギやクロトンを活けます。)
・ ウコール(香炉)
・ 盃
・ 塩台(塩を供えるために小さな器)
・ 湯呑み
・ ウブク茶碗を三膳
・ お盆や「ヒヌカン台」(これらを並べる台です。)
・ 灰
・ ヒラウコー

ヒヌカン道具を購入したら、容器は「塩水(潮水)」で丁寧に洗って清めてください。花生けにはチャーギやクロトンを飾り、お塩・お酒・お水をお供えします。

毎月のヒヌカン拝み☆旧暦一日・十五日の拝み方

ウブク茶碗は「ウブク=ご飯」を供えるための茶碗です。ヒヌカンを仕立てる時や屋敷の御願、毎月の1日・15日の拝みなどではウブクを供えるので、その時に利用します。

ヒヌカンの神様を迎える

ヒヌカンは台所に揃えただけでは、神様が来たとは言えません。ある主婦の体験談では、ヒヌカンを揃えて毎日拝んでいたのに、ユタさんに「神様いないよ~」と言われた!…などの話があります。

それでも、拝み手が自分なりに納得できていれば、問題はありません。日々拝むことでヒヌカンや八百万の神様が宿ることもあるかもしれません。

ただ、ヒヌカンの神様を迎える方法もあるので、試してみてはいかがでしょうか。

【 ヒヌカンの神様を迎える 】

① 自分の住む地域の御嶽(うたき)・ガー(地域の水場)、火の神(ある地域とない地域があります)を巡り、ヒヌカンを仕立てたことを報告して入ってもらう。※ガーはウフガー(産川=自分が産まれた土地の水場)とする家もあります。

② 実家よりも上の宗家(ムートゥーヤー)の灰を分けてもらう。

③ 実家や義理の実家(若しくは両方)から、灰を分けて実家(義理の実家)から「籍」を抜いて「分家」する。

…などがあります。

今日は全く新しくヒヌカンを仕立てる方法ですから、①の地域の御嶽(うたき)やガーを巡る(火の神様)方法になるかもしれません。

地域の御嶽(うたき)やガー、火の神様の所在は、自治会長さんなどに尋ねると、教えてくれることが多いです。

いかがでしたでしょうか、今回はヒヌカンを仕立てる手順をお伝えしました。仕立てる際に御嶽を巡る(実家から灰を分けてもらう)時の拝みの方法も、気になりますよね。

沖縄の御願では、お供え物やグイス(伝える言葉)など、細かく手順がああるので、詳しくは別記事「【沖縄の御願】ヒヌカンを仕立てる時の拝み方は?」でお伝えします。

最近では沖縄の御願についての書籍が出版され、注目されるようになりました。本州の人々でも「ヒヌカンを迎えたい!」と言う方がいるほどです。

ヒヌカンと共に暮らす有難みは、拝みを捧げるうちにじわじわと実感するのかもしれません。

【 ヒヌカンを迎え入れる拝み方 】

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まとめ

ヒヌカンを新しく仕立てる手順

・ヒヌカンは家の災いは引き継がない
・専用の白い陶磁器が販売されている
・本来は「専用に」用意すれば何でも良い
・地元の御嶽や産川を巡りヒヌカンを迎える
・引き継ぐ灰がある家は、引き継ぐ
・実家になければ宗家からいただくこともある